東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は7日続伸となりました。224円高の29,883円で寄り付いた日経平均は直後に178円高の29,838円までやや弱含んだ後上げ幅を広げ9時20分過ぎに388円高の30,048円まで上昇し30,000円の大台を一時上回りましたが、伸び悩むと上げ幅を縮め235円高の29,894円で前場を終えました。
194円高の29,854円でスタートした後場の日経平均は14時30分過ぎに291円高の29,951円まで上昇すると結局256円高の29,916円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が上昇となった一方で、日経ジャスダック平均は下落となっています。
2.個別銘柄等
10月1日から日経平均に新たに採用されることが決まったキーエンス(6861)と村田製作所(6981)、任天堂(7974)が高く、キーエンスが4.9%高となり上場来高値を更新したほか、村田製作所も5.5%高となり、任天堂も一時2.1%高となりました。一方で除外されることになった日清紡ホールディングス(3105)と東洋製缶グループホールディングス(5901)が安く、日清紡ホールディングスが11.0%安、東洋製缶グループホールディングスも15.3%安となりました。同じく除外が決まったスカパーJSATホールディングス(9412)は下げて始まりましたが、下げ渋ると直ぐに持ち直し2.6%高で取引を終えています。
また、一部で日経平均採用銘柄から除外されるのではとの見方があった東邦亜鉛(5707)や太平洋金属(5541)が採用継続となったことで高く、東邦亜鉛が11.3%高、太平洋金属が4.9%高となっています。さらにソフトバンクグループ(9984)が9.9%高となりました。上値の抵抗線となっていた25日移動平均線を超えてきたこともあって買い戻しが入り大きく上げ幅を広げ、日経平均を1銘柄で134円押し上げています。
道路舗装大手のNIPPO(1881)も19.9%上昇しストップ高となりました。親会社のENEOSホールディングス(5020)と米ゴールドマン・サックス(GS)が設立した特別目的会社(SPC)がTOB(株式公開買い付け)を実施しNIPPOの非公開化を検討していると伝わったことで買いを集めました。ネットワンシステムズ(7518)も自己株式を除く発行済み株式数の4.72%に当たる400万株と100億円を上限とする自社株買いを発表したことで5.1%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は256円高となりました。昨日の米国市場はレーバーデーの祝日で休場でしたが、日本市場は昨日までの堅調な地合いを引き継いで買いが優勢となりました。その結果TOPIXが3日連続で年初来高値を更新したほか、日経平均もおよそ5ヶ月ぶりに30,000円の大台を回復する場面がありました。
しかし、急ピッチでの戻りが続いていることもあって日経平均は30,000円を小幅に上回ったところで伸び悩むと上げ幅を縮めました。短期的な過熱感が高まっているだけにそろそろスピード調整が必要との見方も出てきそうですが、こうしたなかで30,000円を引けで上回ることができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)