【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,312.53 ▼48.20 (9/1)
NASDAQ: 15,309.38 △50.15 (9/1)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は景気敏感株に売りが出て3日続落となりましたが、長期金利の低下を受けてハイテク株に買いが入りS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は反発し、ナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しました。26ドル高でスタートしたダウ平均は直後に46ドル高まで上昇した後伸び悩むとマイナスに転じ昼前に73ドル安まで下落しましたが、持ち直すと昼過ぎにプラスに転じました。しかし、上値が重く伸び悩むと引けにかけて再び下落に転じ結局48ドル安の35,312ドルで取引を終えています。
一方でS&P500株価指数が1ポイント高の4,524ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も50ポイント高の15,309ポイントとなり8月30日に付けた史上最高値(15,265ポイント)を上回っています。
2.経済指標等
8月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は前月比37万4000人増に止まり市場予想を大きく下回りました。一方で8月の米ISM製造業景況感指数は59.9と前月から上昇し市場予想も上回りました。7月の米建設支出も年率換算で前月比0.3%増となり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、不動産と公益事業が1%を超える上昇となりました。一方でエネルギーや金融などの5業種が下げ、エネルギーは1%以上下落しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではウォルト・ディズニー(DIS)とセールスフォース・ドットコム(CRM)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)が1%以上上げました。一方でキャタピラー(CAT)とシェブロン(CVX)が1%以上下げ、アムジェン(AMGN)とアメリカン・エキスプレス(AXP)、ハネウェル・インターナショナル(HON)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も1%近く下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、銀行大手のウェルズ・ファーゴ(WFC)が2016年に発覚した不正営業問題で米当局が追加の処分を科すことを検討していると伝わったことで先週末に5%以上下げたことに続いて昨日も5%近く下げています。カルバン・クラインなどを展開するアパレルのPVH(PVH)は決算が最終黒字に転換したことなどで急伸し15%余り上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い1.29%となりました。ドル円は110円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したこともあって堅調なスタートが予想されます。利益確定の売りが出やすいなかで日経平均が堅調さを維持し節目の28,500円を回復できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)