東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて小幅に反発しました。日経平均は68円高の27,793円で寄り付くと取引開始から10分弱で103円高の27,828円まで上昇しましたが、伸び悩むと上げ幅を縮め10時10分過ぎにマイナスに転じ11時20分過ぎに40円安の27,684円まで下落し31円安の27,693円で前場を終えました。

23円安の27,701円でスタートした後場の日経平均は昨日の終値を挟んで小幅に揉み合うと結局17円高の27,742円で取引を終えています。一方でTOPIXは小幅に下落となりましたが、新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

米国市場で主要な半導体銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が5日続伸となったことで半導体関連株が堅調で、なかでもレーザーテック(6920)が3.9%高となり東証1部で売買代金トップとなっています。

ぐるなび(2440)も4.9%高となりました。料理宅配事業や食材受発注サービス開発などに充てるために楽天グループ(4755)やソフトウエアの品質保証を手がけるSHIFT(3697)などを割当先とする第三者割当増資で約33億円を調達すると発表したことで業績拡大を期待した買いが入りました。早稲田アカデミー(4718)も3.7%高となりました。運営する学習塾の集客状況が好調なことや、夏期講習の申し込みが想定を大きく上回っていることなどから通期の業績予想を上方修正したことが好感されました。

また、ケーズホールディングス(8282)も自己株式を除く発行済み株式数の4.84%にあたる1000万株と100億円を上限とする自社株買いを発表したことで4.7%高となっています。一方で国内大手証券が投資判断と目標株価を引き下げたことでビックカメラ(3048)が一時2.1%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は17円高となりました。昨日の米国市場が続伸となりS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が連日で史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。しかし、朝方の買い一巡後に伸び悩むと下落となる場面もありました。

国際経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を明日の夜に控え積極的な買いに乏しく本日は上値の重い展開でしたが、明日は一段と様子見ムードの強い一日となりそうです。なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数と4-6月期の米GDP改定値が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)