【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,625.40 △110.02 (8/16)
NASDAQ: 14,793.76 ▼29.14 (8/16)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数はヘルスケア関連が物色されたことや今週に決算発表が予定されている小売り株に買いが入り5日続伸となり史上最高値を更新しましたが、ナスダック総合株価指数はハイテク株の一角に売りが出て3日ぶりに反落となりました。ダウ平均は24ドル安でスタートすると中国の景気減速やアフガニスタンの地政学リスクを懸念した売りで朝方に283ドル安まで下落しましたが、持ち直すと午後に入ってプラスに転じ結局110ドル高の35,625ドルで取引を終え5日連続で史上最高値を更新しています。また、S&P500株価指数も11ポイント高の4,479ポイントとなりこちらも5日連続で史上最高値を更新しました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は29ポイント安の14,793ポイントとなっています。
2.経済指標等
8月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数は18.3と過去最高となった前月から大きく低下し市場予想も下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケアや公益事業、生活必需品などの7業種が上げ、ヘルスケアは1%を超える上昇となりました。一方でエネルギーや素材などの4業種が下げ、エネルギーは2%近く下落しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が2%近く上げ上昇率トップとなったほか、メルク(MRK)とアムジェン(AMGN)、アップル(AAPL)、ビザ(V)、ホーム・デポ(HD)も1%以上上げています。一方でボーイング(BA)が2%を超える下落となり、ウォルト・ディズニー(DIS)とシェブロン(CVX)も1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、米運輸省高速道路交通安全局が運転支援システムの安全性を正式に調査することが明らかになったことで電気自動車のテスラ(TSLA)が4%以上下げています。携帯通信大手のTモバイルUS(TMUS)も1億人を超える顧客情報が流出したと伝わったことで3%近く下落しました。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い1.26%となりました。ドル円は109円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新したことや昨日に大きく下げた反動もあり上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)