今週(8月6日~8月12日)の相場動向
相場回顧 BTC:イーサリアムの強い値動きとともに買いが継続
ビットコインは、イーサリアムがハードフォーク後に強い値動きとなるなか、買いが継続した。米インフラ法案における暗号資産条項に関して議論が難航し、BTC=497万円(45000ドル)付近では上値が重くなったが、9日にはBTC=508万円(46000ドル)まで上昇した。10日には暗号資産の課税強化について修正が加えられないまま同法案が上院で可決され、売りが強まった。さらにDeFiプロジェクトのポリネットワークで史上最大規模のハッキング事件が発生したが、市場におけるネガティブな反応は限定的で、BTC=497万円(45000ドル)付近では押し目買いが入った。ハッキング事件後の売りへの警戒感もあってか、再び売りが強まったが、リップルやNFT銘柄などのアルトコインを物色する動きもあり、週末かけても底堅く推移した。インフラ法案への期待や過度なインフレ懸念の後退などによって米国株の史上最高値更新が続いたこともリスクオンの買いを後押しした。
来週(8月13日~8月19日)の相場予想
BTCはアルトコイン物色のなかで買い継続の可能性も、大規模ハッキング後の影響に懸念
米国においては機関投資家がビットコインに投資する動きや、金融機関が暗号資産関連事業を進める動き、企業が暗号資産決済を導入する動きが引き続き活発である。マイニング企業が規模を拡大する動きもあり、その影響からハッシュレートは改善傾向にある。
また、金融市場においては、米国の各連銀総裁が相次いでテーパリングを支持する発言をしているが、FRBは慎重な姿勢を維持している。米バイデン政権によるインフラ計画への期待もあるなかで、過度なインフレ懸念も抑えられ、米国株は史上最高値を再び更新し続けている。
このようななかアルトコインを物色する動きのなかでビットコインの買いが継続する可能性は考えられる。ハードフォークをきっかけにイーサリアムの強い値動きが戻っている。これを受けてDeFiやNFT銘柄の売買も旺盛になり、なかには一日で数十%超の急騰を見せるものもある。
一方で、DeFiにおいて発生した史上最大規模のハッキング事件後の影響が懸念される。6億ドルという被害額の規模に反して直近相場への影響はほとんど出ていない。犯人はブロックチェーン上に「お金には興味がない」「返金する準備はできている」などとメッセージを残しているが追加の動きに要注目である。
直近上値としてBTC=530万円(48000ドル)、下値としてBTC=464万円(42000ドル)を意識する。