【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,484.97 △220.30 (8/11)
NASDAQ: 14,765.14 ▼22.95 (8/11)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。米CPIの伸びが前月から鈍化し過度なインフレ懸念が後退したことでダウ平均とS&P500株価指数は続伸となり史上最高値を更新しましたが、ナスダック総合株価指数はハイテク株の一角に売りが出て続落となりました。36ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に230ドル高近くまで上昇した後一旦伸び悩み昼前に140ドル高余りまで上げ幅を縮めましたが、午後に入って持ち直すと取引終盤に236ドル高まで上昇し結局220ドル高の35,484ドルとなり前日に続いて史上最高値を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も10ポイント高の4,447ポイントとなりこちらも前日に続いて史上最高値を更新しています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は22ポイント安の14,765ポイントとなっています。
2.経済指標等
7月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比で5.4%上昇と依然として高い伸びとなり市場予想を上回りました。しかし、前月比では0.5%上昇となり6月の0.9%上昇から伸びが鈍化しています。また、変動の激しい食品とエネルギーを除くコア指数も前年同月比で4.3%上昇となり6月から伸びが鈍化しています。前月比では0.3%上昇に止まり市場予想を下回りこちらも6月から伸びが鈍化しました。さらに7月の米財政収支は3020億ドルの赤字となりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が上げ、素材と資本財・サービス、金融が1%を超える上昇となり、公益事業も1%近く上げました。一方でヘルスケアが1%近く下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでもキャタピラー(CAT)が3%を超える上昇となったほか、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も2%を上回る上昇となりました。また、2度の墜落事故を起こした737MAXの試験飛行を中国で実施したと伝わったボーイング(BA)も1%以上上げています。一方でビザ(V)が1%以上下落し、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も1%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、暗号資産交換業者のコインベース・グローバル(COIN)が決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで3%を超える上昇となりました。宇宙旅行のヴァージン・ギャラクティック・ホールディングス(SPCE)は投資判断の引き下げを受けて12%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い1.33%となりました。ドル円は110円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でダウ平均が続伸となり史上最高値を更新したことから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)