今週(7月23日~7月29日)の相場動向

相場回顧 BTC:市場心理の改善とともにBTC=40000ドルを回復

ビットコインは先週に開かれたイベント「The B Word」をきっかけに買いが強まった。ジャック・ドーシー氏やイーロン・マスク氏、キャシー・ウッド氏など暗号資産業界に関わりが深い要人たちがビットコインについて様々な議論を展開した。なかでもマイニングの環境問題について、テスラ【TSLA】のビットコイン決済再開の可能性を含むポジティブな見解が示されたことが好感された。その勢いのままツイッター【TWTR】とアマゾン【AMZN】がビットコイン決済の導入を検討していることが報じられ、26日にはBTC=440万円(40000ドル)付近まで急騰した。アマゾンが報道を否定したことでBTC=407万円(37000ドル)付近まで急落したが、テスラが2021年Q2ではビットコインを売却していないことが確認されたこともあり、再びBTC=440万円(40000ドル)を伺う展開となった。注目された米FOMCでは、FRB議長によって政策維持とテーパリングに対する慎重な見方が強調され、金融市場全体への影響は限定的であった。市場心理が改善されつつあるなかでコインマーケットキャップの終値では8日続伸となった。

 

来週(7月30日~8月5日)の相場予想

BTCは市場における懸念の和らぎとともに買いが継続することも

現在のビットコインの上昇は一時的との見方も多く、相場を楽観視することはできない。しかし、これまで下落要因として考えられてきたいくつかの懸念は少しずつではあるが和らいでいる。

イーロン・マスク氏はマイニングにおけるクリーンエネルギーの使用率が50%を超えて高まればテスラのビットコイン決済を再開するだろうと述べた。中国規制によって大きく低下していたハッシュレートも緩やかながら回復しつつある。

また、最近になって各国の金融当局から度重なる警告を受けていた大手暗号資産取引所バイナンスもレバレッジの引き下げやKYCの強化、コンプライアンス人材の採用などによって規制への対応を着実に進めている。

米国では大手金融機関による暗号資産関連事業の動きや、ステーブルコインの透明性を確認する動きなども続いており、上述したような懸念の和らぎとともに買いが継続することは考えられる。逆に懸念が再燃するようであれば再び売りが強まるだろう。

直近上値としてはBTC=451万円(41000ドル)、下値としてはBTC=396万円(36000ドル)を意識する。イーサリアムのハードフォーク前後の値動きにも注目したい。