売買代金回転率とは
今回は、売買代金の増減と株価のタイミングについて解説いたします。注目するのは売買代金回転率で、これは特定期間の売買代金の合計を同じ期間の期初と期末の時価総額の中値で割って求めます。
売買代金回転率は、数字が高いほど売買が活況である事を表します。上げ相場だけでなく、下げ相場でも強いトレンドが発生すると売買代金回転率は上昇してきました。
ただ、株価が下がると時価総額が下がるため、売買代金がそんなに増えなくても上昇しやすい局面はあるでしょう。また、最近の株価上昇でも時価総額自体が増えるため、売買代金が大幅に増えないと上昇は限られるといったように、それぞれの局面で事情を加味する必要はあります。
売買代金回転率の推移を基に、今後想定しておきたい局面変化
さて、下図にあるように特定期間を「50日」とした場合で見てみます。すると、2020年は新型コロナショックで株価が急落し、その後6月に戻り高値を付けるまで回転率は急速に上昇し、近年に無い賑わいだったことがわかります。
2016年以降、売買代金回転率の推移は、おおむね20%を中心に下限17.5%になると回転率は上昇に転じる、上限22.5%付近になると回転率は低下に向かう、ことが多かったようです。もちろん、相場の大きさによっては、それ以上、それ以下に大幅に振れることはあります。
足元では7月19日現在、17.5%まで低下しています。過去に強いトレンドが発生した直前の水準まで低下しており、「売買代金はこれから増加局面に向かう→相場は上か下かにトレンドが発生する→トレンドの発生が売買代金を増加させる」という局面変化を念のため想定しておくべきでしょう。
【図表】TOPIXと売買代金回転率(2016/1/4~2021/7/19)