【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,687.85  ▼299.17 (7/16)
NASDAQ: 14,427.24  ▼115.90 (7/16)

1.概況

先週末の米国市場はアジアを中心に世界で感染力の強いデルタ型の新型コロナウイルスの感染が広がっていることを嫌気し下落となりました。20ドル高でスタートしたダウ平均は直後に102ドル高まで上昇しましたが、買いが続かず上げ幅を縮めるとまもなくしてマイナスに転じました。160ドル安程度まで下落した後一旦下げ渋りましたが、午後に入って再び下げ幅を広げると取引終盤に339ドル安まで下落し結局299ドル安の34,687ドルで取引を終え3日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も115ポイント安の14,427ポイントとなり4日続落となりました。

2.経済指標等

6月の米小売売上高は前月比0.6%増となり減少を見込んでいた市場予想を上回りました。一方で7月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は80.8と前月から低下し市場予想も下回りました。また、5月の米企業在庫は前月比0.5%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、エネルギーが3%近く下落したほか、素材と金融、一般消費財・サービスも1%以上下げています。一方で公益事業やヘルスケアなどの4業種が上げ、公益事業は1%近く上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が下げました。そのなかでもダウ(DOW)が3%余り下落したほか、シェブロン(CVX)とウォルト・ディズニー(DIS)、ゴールドマン・サックス(GS)、JPモルガン・チェース(JPM)、ボーイング(BA)も2%以上下げています。一方でプロクター・アンド・ギャンブル(PG)が1%近く上昇しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、世界で感染力の強いデルタ型の新型コロナウイルスの感染が広がっていることから空運株が安く、デルタ航空(DAL)とアメリカン航空グループ(AAL)、ユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が3%以上下げています。また、クルーズ船のノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)やカーニバル(CCL)なども売られ、ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングスが5%以上下げ、カーニバルも4%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.01%低い1.29%となりました。ドル円は110円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が200日移動平均線(先週末時点で27,650円)を前に下げ渋り、朝方の売り一巡後に押し目買いから下げ幅を縮めるような展開がみられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)