先週(7月5日からの週)から今週にかけては、株価が大きく動いたことから窓が4つも発生し、そのうち1つが直ぐに埋まってしまう結果となりました。

そこで今回は、接近する場所に窓が多く発生したこともあり、少しチャートを拡大して解説したいと思います。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=新たに発生した窓、青い丸=埋まった窓

前回の振り返り

まずは、先週7月7日から今週13日までの値動きを簡単に振り返っておきたいと思います。先週7日に株価が窓をあけて大きく下落しましたが、この時、新たに追加した下値支持線(5月13日と6月21日の終値と終値を結んで延長したもの)で下げ止まったかに見えました。ところが翌8日に割り込んで終える結果となりました。

また、その翌営業日となる9日にも2つ目の窓をあけて始まり、一時大幅安となる場面がありましたが、ここでは下げ渋って下ヒゲ陽線を形成して終えているのが分かります。

では、ここまでの2つの窓について考えたいと思います。みなさんはそれぞれどの種類の窓だと思いますか?私はいつもお話していますように、過去の値幅の範囲内であることから、2つともコモンギャップ(=普通の窓)ではないかと考えています。

因みに2つ目の窓は、6月21日の終値を下回って始まり、値幅を伴って下落する場面がありましたが、5月13日の安値を下回ることがなかったために下げ止まると、その後買い戻しが入り、下ヒゲ陽線を形成したのではないかと思われます。

ここまで最初に発生した2つの窓について解説しましたが、これらの窓がそれぞれコモンギャップ(=普通の窓)だとした場合、値動き次第では、これらを埋める可能性があることが予測できるわけですが、そこで今週の値動きを確認したいと思います。

今週初めとなる7月12日は反発して始まりましたが、この反発の際に再び大きな窓(3つ目)が発生しているのが分かります。また、翌13日にも4つ目の窓が発生すると同時に反発が続き、一時下向きの25日移動平均線を上回る場面がありました。

では、今週発生した3つ目と4つ目の窓の種類は何になるのでしょうか。

ここでも最初の2つと同様に、過去の値幅の範囲内で発生していることから、やはりコモンギャップではないかと考えられます。また7月12日の上昇によって、1つ目に発生した窓が埋まっているのが分かります。

このように一旦追加のサポートラインを割り込む場面があり、窓の発生によって下放れするように見えたかもしれません。ですが、これまで解説してきたように、窓の種類や過去に株価の上昇や下落が止まったところを確認することによって、その後の値動きが加速するのか止まるのかの判断材料になると考えられるのです。

今後予想される展開とは

では今後の展開についてですが、7月13日までのところは急反発といった状況ですが、発生した4つの窓(コモンギャップ)のうち1つ目の窓が埋まってしまいました。そうなりますと、残りの3つの窓も遅かれ早かれ埋まってしまうことが考えられるのではないでしょうか。

仮にこれら3つの窓が埋まると仮定した場合、下向きの25日移動平均線上を回復できずに押し返されると同時に、上向きに変化した5日移動平均線を下回ることが考えられそうです。

また、押し返されたままで推移するようですと、7月12日と13日の間にあけた窓が埋まり、5日移動平均線を下回ることが考えられます。また5日移動平均線を下回るようですと、7月8日と9日や7月9日と12日の間にあけた窓も埋めることが考えられ、サポートラインを割り込むことが視野に入ります。

このような展開も考えられますので、買いポジションを持っている投資家は、今後の展開次第ではありますが、売りそびれることがないようにも注意すると良いのではないでしょうか。