【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,888.79 ▼107.39 (7/13)
NASDAQ: 14,677.65 ▼55.59 (7/13)
1.概況
米国市場はボーイング(BA)や大手金融株の下落が重石となり3日ぶりに反落となりました。36ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に22ドル高とプラスになる場面もありましたが、伸び悩むと直ぐにマイナスに転じその後は軟調に推移しました。結局ダウ平均は107ドル安の34,888ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も55ポイント安の14,677ポイントとなっています。
2.経済指標等
6月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.4%上昇し2008年8月以来約13年ぶりの高い伸びとなり市場予想を上回りました。また、6月の米財政収支の赤字額は新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済対策費が大幅に減ったことで前年同月比79.8%減の1741億ドルとなっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術を除く10業種が下げました。そのなかでも不動産と一般消費財・サービス、金融が1%を超える下落となったほか、資本財・サービスと素材も1%近く下げています。
4.個別銘柄動向
ボーイングが中型機787の機体の一部で改修が必要な問題がみつかり生産ペースを一時的に引き下げると発表したことで4%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、決算を発表したJPモルガン・チェース(JPM)とゴールドマン・サックス(GS)が1%以上下げました。決算で1株利益は市場予想を上回りましたが一時的な要因によるもので買い材料視されず売りに押されました。さらに食品のコナグラ・ブランズ(CAG)が通期の1株利益の見通しが市場予想を下回ったことで5%を超える下落となっています。一方で決算が市場予想を上回る増収増益となったペプシコ(PEP)が2%以上上げました。マスターカード(MA)もベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)と次世代高速通信規格の5G技術を使ったタッチレス決済の分野で提携すると発表したことで2%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は30年物国債の入札が低調となったことで0.06%高い1.42%となりました。ドル円は110円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,500円を前に下げ渋るかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)