東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて続伸となりました。144円高の28,713円でスタートした日経平均は10時前に283円高の28,852円まで上昇しましたが、その後やや上げ幅を縮めると223円高の28,792円で前場を終えました。208円高の28,777円でスタートした後場の日経平均は直後に216円高の28,785円までやや上昇した後14時20分過ぎに130円高の28,699円まで上げ幅を縮めると結局149円高の28,718円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。
2.個別銘柄等
ホームセンターのコーナン商事(7516)が5.0%高となり年初来高値を更新しました。販売管理費がかさんだことで第1四半期の営業利益が前年同期比14.8%減の92億円となりましたが、会社計画の85億円を上回ったことから大幅高となりました。また、スタジオアリス(2305)も第1四半期の営業損益が黒字に転換したことから4.5%高となっています。ドラッグストアのコスモス薬品(3349)も9.3%高となり年初来高値を更新しました。2021年5月期の営業利益が前期比で13.9%増となり会社計画を大きく上回って着地したうえ、2022年5月期の営業利益も小幅ながら前期の水準を上回る見通しを発表したことで急伸となりました。同じくドラッグストアのクリエイトSDホールディングス(3148)も2021年5月期の営業利益が増益となったうえに、2022年5月期も増益となる見通しを発表したことで5.8%高となっています。
さらに投資判断と目標株価の引き上げを受けて資源開発大手のINPEX(1605)が3.4%高となりました。一方で投資判断や目標株価の引き下げを受けてレーザーテック(6920)とSCREENホールディングス(7735)が安く、レーザーテックが投資判断の引き下げを受けて4.9%安となり、SCREENホールディングスは投資判断と目標株価の引き下げを受けて5.0%安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は149円高となりました。今週から決算発表がスタートする大手金融株に先回りの買いが入り昨日の米国市場が続伸となり、主要3指数が揃って先週末に続いて史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。しかし、一時28,800円台に乗せ一目均衡表の雲の上限(28,796円)を上回る場面もありましたが、上げ幅を縮めたことから引けでは上回ることはできませんでした。雲が薄いだけに一気に上に抜ける展開も期待されましたが、昨日に600円以上上げているだけにさすがに雲を抜けてくると日本時間の21時30分に6月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあって伸び悩みました。昨日と本日の2日間で800円近くも上げていることから一旦は利益確定の売りが出やすいといえます。こうしたなかで雲を上に抜けて節目の29,000円を試すような動きが明日以降にみられるかがポイントとなりそうです。
なお、米国企業の決算発表がいよいよスタートしますが13日の米国ではJPモルガン・チェース(JPM)やゴールドマン・サックス(GS)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)