【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,577.37  ▼208.98 (7/6)
NASDAQ: 14,663.64  △24.32 (7/6)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は景気敏感株に利益確定の売りが出て反落となりましたが、ナスダック総合株価指数は長期金利の低下を受けてハイテク株に買いが入り続伸となり史上最高値を更新しました。3ドル高でスタートしたダウ平均は直後に27ドル高まで上昇しましたが、伸び悩むとマイナスに転じ下げ幅を大きく広げ昼前には427ドル安まで下落しました。その後午後に入って持ち直したダウ平均ですが結局208ドル安の34,577ドルで取引を終え5日ぶりに反落となっています。また、S&P500株価指数も8ポイント安の4,343ポイントと8日ぶりに反落となっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は24ポイント高の14,663ポイントと3日続伸となり先週末に続いて史上最高値を更新しています。

2.経済指標等

6月の米ISM非製造業景況感指数は60.1と前月から低下し市場予想も下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、エネルギーが3%を超える下落となったほか、金融と素材も1%以上下げました。資本財・サービスも1%近く下落しています。一方で不動産や一般消費財・サービスなどの4業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はハイテク株に買いが入るなかアップル(AAPL)が1%以上上げ上昇率トップとなったほか、セールスフォース・ドットコム(CRM)も1%近く上げアップルに次ぐ上昇率となりました。一方でダウ(DOW)とアムジェン(AMGN)が2%を超える下落となり、シェブロン(CVX)とキャタピラー(CAT)、ウォルト・ディズニー(DIS)も2%近く下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、中国政府が海外に上場する自国企業への規制強化を打ち出したことで中国株の米預託証券(ADR)の下げが目立ちました。配車アプリのディディ(DIDI)が20%近く下げたうえ、アリババ集団(BABA)も3%近く下落しました。ネット検索大手のバイドゥ(BIDU)も5%近く下げています。アマゾン・ドット・コム(AMZN)は5%近く上げ上場来高値を更新しました。米国防総省がクラウド情報基盤の構築でマイクロソフト(MSFT)への発注を取り消しアマゾン・ドット・コムなどの複数の企業に委託する方針を明らかにしたことが好感されました。

5.為替・金利等

長期金利は0.07%低い1.35%となりました、ドル円は110円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が反落となったことから下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の28,500円を割り込みそうですが、朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)