先週金曜日に発表された雇用統計ではNFPが予想を上回る増加となったものの、失業率が予想外に上昇する結果となった。これは「ゴルディロックス」の再来で市場にとってはウエルカム。長期金利は低下し、株は買われた。米国市場で主要3指数がそろって史上最高値を更新した。ダウ平均は約2か月ぶり、ナスダックは3日ぶり、S&P500種は7営業日連続で最高値を更新。これは1997年以来初めてとなる。
日本株は上値の重い展開か。東京五輪を控え、国内では新型コロナ感染者数が増加傾向であることに加えて、足元ではワクチン供給不足が明らかになるなど懸念材料も出てきているため、米国株の好調さについていけない状況となっている。
7月第2週は主要な日本株の上場投資信託(ETF)の決算日が集中する。このため決算を迎えるETFの分配金を捻出するために運用会社が出す売りで日本株の上値が抑えられ、相場は軟調となる。ただし、これは「年中行事」。毎年のことであり、事前にわかっているだけに「リスク」ではない。ファンダメンタルズが変化したわけではなく、分配金捻出のための売りというテクニカルな要因であるため、相場の基調を変化させるものではなく、一時的な錯乱要因である。
昨年の例では8日に3000億円規模、10日には4000億円規模の売りが出たと見られる。日経平均は8日に176円安、10日には238円安となった。しかし、週をまたいだ翌営業日13日には493円高と大幅に反発、分配金捻出売りで軟調となった前週の下げをすべて取り戻している。
今年は主要なETFの決算日は8日、9日に集中しており、全体で8000億円規模の売りが想定されているが、前述の通り、一過性の値動きで終わるだろう。
その他の株価材料としては7日に発表されるFOMC議事要旨(6月15~16日分)、8日の6月の景気ウオッチャー調査など。決算ではローソン(2651)、7&I-HD(3382)のほか製造業の先行指標、安川電機(6506)に注目が集まる。