【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,292.29 △9.02 ( 6/29 )
NASDAQ: 14,528.34 △27.83 ( 6/29 )
1.概況
米国市場は景気の回復を示唆する経済指標を受けて消費関連株を中心に買いが入り小幅に上昇し、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しました。55ドル高でスタートしたダウ平均は取引開始直後に186ドル高まで上昇しましたが、その後徐々に上げ幅を縮めると結局9ドル高の34,292ドルで取引を終え反発となっています。また、S&P500株価指数が1ポイント高の4,291ポイントとなり4日連続で史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も27ポイント高の14,528ポイントと続伸となり前日に続いて史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
6月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は127.3と前月から上昇し市場予想を上回りました。4月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数も前年同月比14.9%上昇し市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業やコミュニケーション・サービス、エネルギーなどの8業種が下げ、公益事業は1%を超える下落となりました。一方で情報技術と一般消費財・サービス、ヘルスケアの3業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では消費関連株に買いが入るなかナイキ(NKE)が2%以上上げ上昇率トップとなったほか、ホーム・デポ(HD)も1%を上回る上昇となりました。アップル(AAPL)とゴールドマン・サックス(GS)も1%以上上げ、マイクロソフト(MSFT)も1%近く上昇しています。一方でボーイング(BA)が2%近く下げ、ウォルト・ディズニー(DIS)とデータセンター向けの新型半導体の生産の遅れを明らかにしたインテル(INTC)も1%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、新型コロナウイルスのワクチンがインド型(デルタ株)などの変異ウイルスの抗体も作り出す効果があると発表したバイオ製薬のモデルナ(MRNA)が5%以上上げました。ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループ(JEF)も決算が市場予想を上回る増収増益だったことで7%余り上昇しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い1.47%となりました。ドル円は110円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が取引終了まで堅調さを維持して昨年の9月から続く月末株安の流れを止めることができるかがポイントとなりそうです。また、日本時間の10時に中国の製造業と非製造業の購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定で注目されます。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)