SNSの普及により、人々が何を考えているか、簡単に外部に向けて情報発信、また収集できる世の中になりました。2021年に入ってから、私は月に1度月末に、翌月の米国株式市場の見通しについて、個人投資家の方々がどのように考えているか、ツイッター(アカウント:@heihachiro888)上で、フォロワーの方々に聞くアンケートを行なっています。個人投資家のセンチメントを知ることは大切だからです。

このアンケートに答える所要時間は1分ほどです。質問を見てワンクリックするだけですから、慣れた方であれば10秒もかからないでしょう。アンケートをツイートすると、1時間もしないうちに回答が集まり、個人投資家の方々の考えが見え始めます。回答者数は毎回1,000人を超えていますので、サンプル数として有効と言えるのではないでしょうか。

7月のS&P500を強気に見ている人は6割

今回行ったアンケートの結果を見ますと、7月のS&P500を強気に見ていると答えた方が60%、弱気が7%、中立が33%となっています。今回の回答者数は2,898人です。

年初からの日本の個人投資家の回答の推移は図表1の通りです。 

【図表1】
出所:筆者のツイッターのアカウントで実施した回答をもとに作成。回答者数は1月からそれぞれ1,241人、1,484人、1,241人、1,987人、2,299人、2,547人、2,898人

個人投資家のセンチメントは、マーケットの方向性を占う上で重要な指標の1つであり、米国では昔からAAII(全米個人投資家協会)のブルベア指標が、米国株のストラテジストなどが相場の見通しを考える際に使われています。通常センチメント指標はコントラリアン(逆張り)指標と呼ばれており、強気の人が多いとマーケットは下がりやすく、逆に弱気の人が多いとマーケットは上がる傾向にあると言われています。

日米の個人投資家のセンチメントの比較

今回の日本の個人投資家のセンチメントと米国のAAIIの個人投資家のセンチメントを比較してみました。日米のそれぞれの強気と弱気の比率を引いたネットの数字に、S&P500の月別のリターンを載せたものが図表2です。 

【図表2】
出所:アンケートは筆者のツイッターのアカウントで実施した回答をもとに作成。AAII、S&P500はブルームバーグから筆者作成

これを見ますと、米国より日本の個人投資家の方が強気か弱気の見方がよりはっきりしていることが確認できます。勿論これは半年間のデータだけでは役に立たず、指標として有効か否かを判断するにはもう少し長いスパンで見る必要があると思います。

この貴重な個人投資家のセンチメント指数を今後も時折アップデートしていきたいと思います。

また、同じくツィッターのフォロワーの方々に、「7月の米国株市場ではグロース銘柄とバリュー銘柄のどちらがマーケットをアウトパフォームするか」と聞いてみました。グロース銘柄の回答が85%、バリュー銘柄が15%という結果となりました(回答数3,401票)。これについては、私のツイッターをフォローしている個人投資家の保有銘柄の趣向は明らかにグロース銘柄であり、希望的な観測も入ってのことではないかと考えています。それはなぜかと言いますと、実際私もそう考えているからです。

アンケートにご協力くださった皆さんには、この場を借りてお礼申し上げたいと思います。