【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,283.27 ▼150.57 (6/28)
NASDAQ: 14,500.51 △140.12 (6/28)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。足元で上昇が目立っていた景気敏感株に利益確定売りが出てダウ平均は下落となりましたが、長期金利の低下を受けてハイテク株に買いが入りS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は上昇し史上最高値を更新しました。5ドル安でスタートしたダウ平均は直後にプラスに転じましたが、15ドル高で上値が押さえられるとマイナスとなり下げ幅を広げ昼過ぎには247ドル安まで下落しました。その後引けにかけて下げ幅を縮めたダウ平均ですが結局150ドル安の34,283ドルで取引を終え3日ぶりに反落となっています。一方でS&P500株価指数が9ポイント高の4,290ポイントとなり3日連続で史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も140ポイント高の14,500ポイントと反発し24日に付けた史上最高値(14,369ポイント)を更新しています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術やコミュニケーション・サービス、公益事業などの7業種が上げ、情報技術は1%以上上昇しました。一方でエネルギーや金融などの4業種が下げ、エネルギーは3%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では、開発が遅れている次世代大型機の777Xについて米連邦航空局の承認が2023年半ばから後半になる見込みと伝わったことでボーイング(BA)が3%を超える下落となったほか、原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)も3%余り下げました。アメリカン・エキスプレス(AXP)も3%近く下落しています。一方でハイテク株に買いが入るなかインテル(INTC)が3%近く上げ、マイクロソフト(MSFT)とアップル(AAPL)、セールスフォース・ドットコム(CRM)も1%を超える上昇となっています。
ダウ平均構成銘柄以外では、画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が英半導体設計大手アームの買収が進展するとの見方が強まったことで5%高となり上場来高値を更新しています。また、フェイスブック(FB)も米連邦取引委員会が反トラスト法違反で提訴していた件で米連邦判事が訴えを退けたと伝わったことで4%余り上げ、時価総額が初めて1兆ドルを超えました。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い1.48%となりました。ドル円は110円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でダウ平均が反落となったことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が一目均衡表の雲の上限(28,935円)を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)