【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,196.82  △322.58 (6/24)
NASDAQ: 14,369.71  △97.98 (6/24)

1.概況

米国市場はインフラ投資への期待から上昇し、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しました。59ドル高でスタートしたダウ平均はまもなくして300ドル高余りまで上昇した後一旦伸び悩みましたが、午後に入ってバイデン大統領が上院の超党派議員グループとインフラ投資法案で合意したと表明すると再び上げ幅を広げ引け間際には358ドル高まで上昇し結局322ドル高の34,196ドルで取引を終え反発となっています。また、S&P500株価指数が24ポイント高の4,266ポイントと反発し14日に付けた史上最高値(4,255ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も97ポイント高の14,369ポイントと4日続伸となり3日連続で史上最高値を更新しています。

2.経済指標等

先週1週間の米新規失業保険申請件数は前週比7000件減の41万1000件となりましたが市場予想ほど改善しませんでした。また、5月の米耐久財受注額も前月比2.3%増に止まり市場予想を下回りました。1-3月期の米実質GDP確報値は改定値と変わらずの年率換算で前期比6.4%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融やエネルギー、コミュニケーション・サービスなどの9業種が上げ、金融は1%を超える上昇となりました。一方で不動産と公益事業の2業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はアップル(AAPL)とダウ(DOW)を除く28銘柄が上げました。そのなかでもボーイング(BA)が3%近く上げたほか、キャタピラー(CAT)とゴールドマン・サックス(GS)も2%を超える上昇となりました。ダウ平均構成銘柄以外では、決算が市場予想を上回ったことで外食のダーデン・レストランツ(DRI)が3%を超える上昇となりました。また、製薬大手のイーライ・リリー(LLY)が開発中のアルツハイマー型認知症治療薬候補が米食品医薬品局(FDA)から画期的治療薬(ブレークスルーセラピー)の指定を受けたと発表したことで7%を上回る上昇となっています。一方でアルツハイマー治療薬をエーザイ(4523)と共同開発するバイオ製薬のバイオジェン(BIIB)は競争激化を懸念した売りで6%余り下げています。住宅建設大手のKBホーム(KBH)も決算は大幅な増収増益となったものの売上高が市場予想を下回ったことで6%以上下落しています。ドラッグストアのライト・エイド(RAD)も決算で売上高が市場予想を下回ったことで14%を超える下落となっています。 

5.為替・金利等

長期金利は0.01%高い1.49%となりました。ドル円は110円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の29,000円を回復することができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)