前回のコラムでは、米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融政策決定会合を目前に控えていたこともあり、それを踏まえてトレンドが発生するための重要ポイントについて解説しました。これらのイベントを踏まえ、果たしてどのような値動きになったのか、いつものようにチャートを確認したいと思います。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い丸=埋まった窓

FOMC後に急落し新たな窓が発生、その種類とは?

チャートを見てのとおり、日本時間の6月17日の未明にFOMCの結果が発表され、日米市場で株価の上値が重たくなる展開となりました。そうした中、発表当日の日本時間の17日に下方向に新たな窓が発生して始まると、下向きの75日移動平均線に押し返される状態が週末の6月18日も続きました。

また、休み明けとなる6月21日の東京市場ではさらに大きな窓をあけて下値支持線に接近して始まると、取引開始早々に割り込んで一気に下げ幅を広げ、900円超も下げる展開となっているのが分かります。

このように、1週間で2つも窓があいてしまったわけですが、翌6月22日には大幅反発となったことに加え、下向きの5日と緩やかな上向きを続ける25日移動平均線の両方を上回って終える結果となりました。

では今回新たに発生した窓は、どの種類の窓と考えることができるのでしょうか。急落したものの、下げ止まったことや下げ止まった後に急反発しているところに加え、過去の値幅の範囲内での値動きだということを踏まえると、やはりこの窓はコモンギャップ(=普通の窓)と考えるのが妥当なのではないかと思われます。

5月の窓を埋める

そのような中、窓埋めが起こっていたことにみなさんは気づいていたでしょうか。

そうです。既にお気づきの方も多いと思いますが、実は6月21日の大幅下落の際、5月20日と21日の間にあけた窓を埋めて下げ止まっていたのです。5月20日と21日にあけた窓はコモンギャップとしていましたが、今週に入ってこのコモンギャップを埋めたことを踏まえつつ、今後の動向についてみなさんはどのように考えるでしょうか。

大幅反発で戻りが続くのか

私は、考え方が2つあると思います。1つは、6月に発生してまだ埋めることができていない3つの窓を埋める水準まで株価が戻るという考え方です。

5月に発生した窓が6月に入って順番に埋められてきていますので、先週から今週にかけて発生した窓も、近いうちに埋まる可能性があると考えられるのではないでしょうか。

そして2つ目は、5日移動平均線と25日移動平均線を下回って下降トレンドが発生するという考え方です。

この考え方が成立するためには、5日移動平均線と25日移動平均線を下回って終える必要がありますが、仮に今週のどこかで5日移動平均線と25日移動平均線を終値で下回って戻せないようですと、5月13日の安値に接近したり、割り込んだりすることが考えられます。

そのような場合、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意したいところです。