【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,945.58  △68.61 (6/22)
NASDAQ: 14,253.27  △111.79 (6/22)

1.概況

米国市場はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の足元の物価上昇は一過性の供給制約などが和らげば長期的な目標に向けて低下していくとの議会証言での発言を受けて早期の利上げ観測が後退し続伸となり、ナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しました。4ドル安でスタートしたダウ平均は前日に大幅高となった反動で朝方に125ドル安まで下落する場面もありましたが、まもなくしてプラスに転じると昼前に一旦100ドル高余りまで上昇しました。午後に入って伸び悩み一旦前日終値近辺まで上げ幅を縮める場面もありましたが、取引終盤に再び上げ幅を広げると163ドル高まで上昇しました。その後引けにかけて上げ幅を縮めたダウ平均は結局68ドル高の33,945ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も111ポイント高の14,253ポイントとなり14日に付けた史上最高値(14,174ポイント)を更新しています。

2.経済指標等

5月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比0.9%減の580万戸となったものの市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスや情報技術、コミュニケーション・サービスなどの9業種が上げ、一般消費財・サービスは1%高となりました。一方で公益事業と不動産の2業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではナイキ(NKE)が2%近く上げたほか、ホーム・デポ(HD)とアップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)も1%以上上昇しました。一方でメルク(MRK)や前日に大幅高となったボーイング(BA)などが軟調でした。

ダウ平均構成銘柄以外では、画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が目標株価の引き上げを受けて2%を超える上昇となりました。情報セキュリティーのクラウドストライク・ホールディングス(CRWD)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて8%近く上げています。また、鶏肉加工のサンダーソン・ファームズ(SAFM)が身売りを検討していると伝わったことで急伸し10%余り上げたうえ、フィットネス機器のペロトン・インタラクティブ(PTON)も企業向けの健康促進プログラムを開始すると発表したことで8%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%低い1.46%となりました。ドル円は110円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は昨日に大幅高となった反動で売り優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が底堅さをみせ切り返すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)