東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて大幅に4日続落となりました。日経平均は457円安の28,506円でスタートすると寄り付きを高値に下げ幅を大きく広げ11時過ぎに1,048円安の27,915円まで下落すると983円安の27,980円で前場を終えました。さらに下げ幅を広げ1,100円安の27,863円でスタートした後場の日経平均は直後に1,168円安の27,795円まで下落した後やや戻したものの安値圏で推移すると結局953円安の28,010円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。
2.個別銘柄等
日経平均が大幅安となったことから指数寄与度の大きい銘柄の下落が目立ちました。ファーストリテイリング(9983)が4.4%安となったほか、東京エレクトロン(8035)が4.0%安、ソフトバンクグループ(9984)が3.5%安、ファナック(6954)が5.6%安、信越化学工業(4063)も5.7%安となり、ファーストリテイリングとソフトバンクグループは年初来安値を更新しました。また、西松屋チェーン(7545)が1.4%安となりました。先週末の引け後に発表した第1四半期の決算で営業利益が入園・入学用の雑貨や子供用衣料の販売が好調だったことなどから前年同期比で25.5%増となったことで買いが先行し一時4.1%高まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に下落に転じると2.6%安まで下落する場面もありました。さらに投資判断と目標株価の引き下げを受けて小糸製作所(7276)や伊藤忠商事(8001)が安く、小糸製作所が4.0%安、伊藤忠商事が3.8%安となっています。
一方で千代田化工建設(6366)が一時5.2%高となりました。ENEOS(5020)と製造過程で二酸化炭素を出さないグリーン水素の製造プラントを共同開発し、水素価格を1キログラム当たり330円と現在の3分の1程度にすることを目指すと伝わったことが材料視されました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は953円安となりました。米連邦準備理事会(FRB)が利上げ開始を前倒しするとの観測が強まったことで先週の米国市場でダウ平均が530ドルを超える下落となったことに加え、米株価指数先物が時間外で大きく下げたこともあって下値模索の展開となりました。25日移動平均線(28,775円)や一目均衡表の雲の下限(28,666円)を大きく下回り一気に節目の28,000円近くまで下落したこともあって下値不安が強く意識されそうですが、一日で1,000円近くも下げたことから明日以降の反発に期待したいところです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)