今週の日経平均は小動きながらも2万9000円台を固めにいくだろう。米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、週前半は様子見機運が強く、「開店休業」状態となろう。ただ、米国の消費者物価指数(CPI)発表後に米国債が買われたが、FOMCというイベントを通過した週後半は、あく抜け感から長期金利が一段と低下する可能性がある。

米国10年債は、週末こそポジション調整で若干売られたものの、6月10日に1.43%とほぼ3ヶ月ぶりの低水準を付けた。さらに、6月11日早朝には1.42%まで低下する場面があった。長期金利がピークアウトの様相を明確にしていることは早期テーパリング観測の後退を示唆するものだ。加えて、ワクチン接種の進展、S&P500の史上最高値更新と株式の投資環境は良好である。株式相場は基本的に堅調に推移するだろう。特に年初から調整が続き出遅れているグロース株が持ち直すかに注目したい。

指標は米5月小売売上高、米6月ニューヨーク連銀景気指数、米5月鉱工業生産が6月15日に発表される。翌16日には日本の5月貿易収支、4月機械受注、中国5月鉱工業生産、中国5月小売売上高、米5月住宅着工件数、17日には米6月フィラデルフィア連銀景況指数が発表される。

17日からは日銀金融政策決定会合もあるが、こちらは相場の材料とはならないだろう。

今週の予想レンジは、2万8500円~2万9500円とする。