今週の最大の注目ポイントは10日に発表される米国の5月の消費者物価指数(CPI)である。前回4月のCPIは予想を大きく上回る前年同月比4.2%上昇と急伸した。金利上昇、FEDのテーパリング早期化の懸念につながり株価急落の引き金になった。背景のひとつは、パンデミックの影響で昨年4月の統計が大きく落ち込み、比較にゆがみが生じる、いわゆるベース効果だ。5月のCPIにもこの影響は残り、再び上振れする可能性が高い。しかし今度は市場もそれを分かっているので、過剰反応はないと思うが念のために警戒しておきたい。
米国時間10日のCPI発表を受ける翌日の日本時間11日はメジャーSQとイベント続き。このため週の半ばは様子見姿勢が強まり動意薄の展開となるだろう。
その他では7日の景気動向指数、8日の景気ウォッチャー調査、11日の4-6月期法人企業景気予測調査などが注目か。
6月相場は総会シーズンと配当の支払い時期で基本は堅調推移が予想される。ただ、連日の高値追いが続くトヨタやレーザーテックなどには過熱感も台頭している。これらのリーディング銘柄の勢いが止まると、相場全体のムードに水を差すことになろう。その点は気にかけておきたい。
今週の予想レンジは2万8500円~2万9500円とする。