東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続伸となりました。55円安の28,890円で寄り付いた日経平均は直後に66円安の28,879円までやや下げ幅を広げた後切り返すと取引開始から数分でプラスに転じ9時20分前に211円高の29,157円まで上昇しましたが、その後伸び悩むと102円高の29,048円で前場を終えました。さらに上げ幅を縮め44円高の28,990円でスタートした後場の日経平均は14時過ぎに147円高の29,093円まで上昇した後やや上げ幅を縮めると結局111円高の29,058円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇しています。

2.個別銘柄等

レーザーテック(6920)が7.2%高と9日続伸となり上場来高値を更新しました。政府が月内に決める成長戦略の原案を公表し経済安全保障の観点から半導体産業の国内誘致を進めるために政策を総動員する方針を示したことから買いを集めました。アドバンテスト(6857)やディスコ(6146)といった半導体製造装置メーカーなども上昇が目立ち、アドバンテストが4.2%高、ディスコが3.8%高となっています。三菱電機(6503)も2.9%高となり年初来高値を更新しました。13時に500億円を上限とする自社株買いを発表したことで発表直後に大きく上げ幅を広げました。また、投資判断や目標株価の引き上げに反応したのがIHI(7013)やタダノ(6395)で、IHIが目標株価の引き上げを受けて4.1%高となったほか、タダノも投資判断と目標株価の引き上げを受けて10.9%高となり、IHIは年初来高値を更新しています。

一方でファーストリテイリング(9983)が4.1%安となりました。5月の国内ユニクロの既存店売上高が前年同月比0.6%減と昨年の5月以来1年ぶりに前年割れとなったことが嫌気されました。デンカ(4061)と東映(9605)も投資判断と目標株価の引き下げを受けて安く、デンカが8.0%安、東映が3.1%安となり、デンカは年初来安値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は111円高となりました。昨日の米国市場が小幅な上昇に止まったことから下落して始まりましたが、下げ渋るとプラスに転じ上げ幅を三桁に広げ節目の29,000円を回復し、昨日にあと一歩届かなかった100日移動平均線(29,037円)を小幅に上回りました。そのためこのまま一気に75日移動平均線(29,225円)の回復といきたいところですが、29,000円を超えてくると伸び悩む傾向が今週はみられることから米雇用統計の発表を控えて様子見になりやすいなかで明日も29,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の21時15分に5月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、21時30分には米新規失業保険申請件数が、そして23時には5月の米ISM非製造業景況感指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)