【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,575.31  △45.86 (6/1)
NASDAQ: 13,736.48  ▼12.26 (6/1)

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。新型コロナウイルスワクチンの普及による経済の正常化期待から景気敏感株を中心に買いが優勢となりダウ平均は4日続伸となりましたが、長期金利の上昇を受けてハイテク株が軟調でS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は反落となりました。ダウ平均は54ドル高でスタートすると直後に319ドル高の34,849ドルまで上昇し5月7日に付けた史上最高値(34,777ドル)を上回る場面もありましたが、利益確定の売りが出て上げ幅を縮めると取引終盤には13ドル高まで上げ幅を縮めました。その後引けにかけてやや持ち直したダウ平均は結局45ドル高の34,575ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が2ポイント安の4,202ポイントと3日ぶりに反落したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も12ポイント安の13,736ポイントと反落となっています。

2.経済指標等

5月の米ISM製造業景況感指数は61.2と前月から上昇し市場予想も上回りました。一方で4月の米建設支出は年率換算で前月比0.2%増に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、エネルギーが4%近く上昇したほか、不動産と素材も1%以上上げています。一方でヘルスケアや公益事業、情報技術などの5業種が下げ、ヘルスケアは1%を超える下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では投資判断と目標株価の引き上げを受けてボーイング(BA)が3%余り上昇し上昇率トップとなったほか、ダウ(DOW)も3%近く上げました。また、長期金利の上昇を受けてゴールドマン・サックス(GS)も3%近く上昇し、原油先物価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)も2%を超える上昇となっています。一方でベビーパウダーによる健康被害での訴訟で上訴が退けられたジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)が2%以上下落し、アムジェン(AMGN)も2%近く下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、空港利用者数が昨年3月以来の高水準となったことで空運株が堅調でユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が2%以上上げ、アメリカン航空グループ(AAL)も2%近く上昇しています。

5.為替・金利等

長期金利は良好な米ISM製造業景況感指数を受けて0.02%高い1.60%となりました。ドル円は109円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しいことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)