【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,464.64  △141.59 (5/27)
NASDAQ: 13,736.28  ▼1.72 (5/27)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。米新規失業保険申請件数の改善を受けて景気敏感株に買いが入りダウ平均とS&P500株価指数は続伸となりましたが、長期金利の上昇を受けてハイテク株の一角が軟調でナスダック総合株価指数は小幅に反落となりました。109ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に285ドル高まで上昇した後昼前に66ドル高まで一旦上げ幅を縮めましたが、引けにかけて持ち直すと結局141ドル高の34,464ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も4ポイント高の4,200ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は1ポイント安の13,736ポイントとなりました。

2.経済指標等

1-3月期の米実質GDP改定値は速報値と変わらずの年率換算で前期比6.4%増となり市場予想を下回りました。4月の米耐久財受注額も前月比1.3%減となり増加を見込んでいた市場予想を下回りました。4月の米中古住宅販売仮契約指数も前月比4.4%低下の106.2となり市場予想を下回っています。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比3万8000件減の40万6000件となり市場予想を上回る改善となりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、資本財・サービスと金融が1%を超える上昇となりました。一方で公益事業や生活必需品などの5業種が下げています。

4.個別銘柄動向

欧州のエアバスが増産計画を発表したことで航空機需要の回復期待が高まりボーイング(BA)が4%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。航空機部品を手掛けるハネウェル・インターナショナル(HON)も3%余り上げダウ平均構成銘柄でボーイングに次ぐ上昇率となり、ボーイングとハネウェル・インターナショナルの2銘柄でダウ平均を100ドル以上押し上げています。また、航空機エンジンを手掛けるゼネラル・エレクトリック(GE)も7%余り上げています。さらに取引終了後に決算を発表したセールスフォース・ドットコム(CRM)は売上高と1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で大幅高となっています。

一方で画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が1%を上回る下落となりました。決算は市場予想を上回りましたが材料出尽くしとなり売りが優勢となりました。1ドルショップのダラー・ツリー(DLTR)も決算で通期の1株利益の見通しが市場予想を下回ったことで8%近く下げています。 

5.為替・金利等

長期金利は0.04%高い1.61%となりました。ドル円は円安に振れ109円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場でダウ平均が続伸となったことや円安を受けて本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばし100日移動平均線(昨日時点で28,952円)を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)