東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅反発となりました。日経平均は106円高の27,931円でスタートすると寄り付きを安値に大きく上げ幅を広げる展開となり11時過ぎに656円高の28,480円まで上昇し577円高の28,402円で前場を終えました。607円高の28,432円でスタートした後場の日経平均は13時20分過ぎに548円高の28,373円までやや上げ幅を縮めた後14時30分に656円高の28,481円まで上昇し本日の高値を付けるとその後引けにかけてやや上げ幅を縮め結局582円高の28,406円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く、東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

景気敏感株などを中心に幅広い銘柄に買いが入るなかトヨタ(7203)が一時2.6%高の8,869円まで上昇し2015年3月に付けた上場来高値(8,783円)をおよそ6年2ヶ月ぶりに更新しました。自動車株ではホンダ(7267)も3.3%高となったほか、大手鉄鋼株も高く日本製鉄(5401)が4.5%高、JFEホールディングス(5411)が4.4%高、神戸製鋼所(5406)も4.4%高となっています。また、4月の工作機械受注総額が前年同月比2.2倍となったことでファナック(6954)やツガミ(6101)、オークマ(6103)、牧野フライス製作所(6135)なども高く、ファナックが2.8%高、ツガミが3.5%高、オークマが3.1%高、牧野フライス製作所も4.5%高となっています。

さらにブリヂストン(5108)も一時2.8%高となり年初来高値を更新しました。トラックやバス向けを中心に販売が回復したうえ、高採算の高インチタイヤの販売も伸びたことなどから第1四半期の調整後営業利益が前年同期比で78.7%増と大幅な増益となったことが好感されました。給湯器大手のノーリツ(5943)も11.8%高と急伸しました。新型コロナウイルス禍で落ち込んだ中国や米国など海外での瞬間式ガス給湯器の需要回復が当初想定を上回る見通しで2021年12月期の営業利益の見通しを50億円から64億円に引き上げたことで買いを集めました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は582円高となりました。寄り付き前に発表となった1-3月期の実質GDP速報値は前期比年率5.1%減と3四半期ぶりのマイナス成長となりましたが織り込み済みでマーケットへの影響は限定的で、昨日の米国市場が小幅な下落に止まるなか昨日に想定外の下げとなった反動もあって上昇して始まると景気敏感株など幅広い銘柄に買いが入り上げ幅を広げました。大きく反発したことで調整一巡への期待も再び出てきそうですが、明日以降も買い戻しの動きが続いた場合には100日移動平均線(28,832円)を回復できるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の21時30分には4月の米住宅着工件数が発表されるほか、18日の米国ではウォルマート(WMT)、ホーム・デポ(HD)など小売り大手の決算発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)