東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日ぶりに大幅反落となりました。日経平均は279円安の29,238円で寄り付くと直後に229円安の29,289円までやや持ち直すなどしばらく下げ渋りましたが、まもなくして下げ幅を大きく広げると前引け間際に825円安の28,693円まで下落し812円安で前場を終えました。876円安の28,642円で取引をスタートさせた後場の日経平均は14時前に982円安の28,535円まで下落した後やや戻したものの結局909円安の28,608円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となり、東証マザーズ指数は3.5%下落し年初来安値を更新しています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場でナスダック総合株価指数が大幅安となったことから米ハイテク株に投資するソフトバンクグループ(9984)が6.5%安となり日経平均を一銘柄で143円押し下げました。また、昨日の米国市場で主要な半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大幅安となったことで日本市場でも半導体関連株が売られ、東京エレクトロン(8035)が4.1%安、レーザーテック(6920)が5.2%安、SCREENホールディングス(7735)が4.5%安、アドバンテスト(6857)が5.5%安、SUMCO(3436)も5.4%安となったほか、電子部品関連株も安くTDK(6762)や太陽誘電(6976)、村田製作所(6981)、日東電工(6988)などが年初来安値を付けています。さらに決算発表で2022年3月期の営業利益の見通しが市場予想に届かなかったファンケル(4921)や沖電気工業(6703)、パナソニック(6752)などが安く、ファンケルが8.3%安、沖電気工業が10.9%安、パナソニックが5.8%安となっています。

一方で味の素(2802)が3.8%高となりました。市場予想を上回る純利益の見通しに加えて、発行済株式総数の4.55%を上限とする自社株買いを発表したこともあって買いが優勢となりました。グリー(3632)も第3四半期の営業利益が前年同期比で20%余りの増益となったことで買いを集め6.5%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は909円安となりました。昨日の米国市場でハイテク株に売りが出てナスダック総合株価指数が2%を超える大幅下落となったことから日本市場でもハイテク株が売られ大幅安となりました。75日移動平均線(29,275円)だけでなく、4月20日と21日に2日間で1,200円近く下げた場面でサポートとなった100日移動平均線(28,769円)も明確に割り込んだことから下値への警戒感が一気に高まりそうですが、週末に向けて決算発表が佳境を迎えるなかでここから切り返すことができるかがポイントとなりそうです。

なお、本日も引け後にはダイキン工業(6367)やSCREENホールディングス、ソフトバンク(9434)、日産(7201)などが決算を発表する予定です。また、明日は取引時間中の13時25分にトヨタ(7203)が決算発表を予定しているほか、引け後にはソフトバンクグループ(9984)が決算を発表する予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)