東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発しました。日経平均は56円安の28,935円で寄り付くと直後に115円安の28,875円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直し10時過ぎにプラスに転じると10時50分過ぎに122円高の29,114円まで上昇し110円高で前場を終えました。97円高の29,089円でスタートした後場の日経平均は14時30分過ぎに147円高の29,139円まで上昇しましたが、引けにかけて上げ幅を縮めると結局62円高の29,053円で取引を終えています。一方で新興市場は軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

ゾゾタウンを運営するZOZO(3092)が7.7%高となり年初来高値を更新しました。外出自粛が追い風となり2021年3月期の営業利益が前期比で6割近い大幅な増益で最高益を更新したうえに、2022年3月期も続けて最高益を見込むことから買いを集めました。富士電機(6504)も12.6%高となり年初来高値を更新しました。電気自動車向けのパワー半導体が好調で2022年3月期の営業利益が最高益となる見通しを発表し市場予想も上回ったことで急伸しました。デンソー(6902)も11時過ぎの決算発表後に上げ幅を広げ6.5%高となりました。車両の電動化などを追い風に2022年3月期の営業利益が前期比で2.7倍と急拡大し最高益を更新する見通しを発表したことが好感されました。また、本日の引け後に決算発表を予定しているソニーグループ(6758)が国内大手証券が目標株価を引き上げたことで3.1%高となっています。

一方でアンリツ(6754)が7.5%安となり年初来安値を更新しました。2022年3月期の営業利益が小幅な増益に止まる見通しを発表し、市場予想も下回ったことで売りがかさみました。JT東海(9022)も2022年3月期の営業損益が黒字に転換する見通しを発表しましたが市場予想を下回ったことや、リニア中央新幹線の総工費がこれまでの想定から1兆5000億円増えて7兆円になる見通しを発表したこともあって4.4%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は62円高となりました。昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなり材料に乏しいなかで決算発表への警戒感から売り優勢でのスタートとなりましたが、昨日の引け後に発表した決算を受けて下落して始まったファナック(6954)やアドバンテスト(6857)が上昇に転じたことや、そのほかにも決算発表に好反応をみせる銘柄も目立ったことなどから買いが優勢となりました。これからさらに決算発表が本格化しますが、こうしたなかで引き続き決算発表に神経質な展開が続くことになりそうです。

なお、本日も引け後には日立(6501)や富士通(6702)、ソニーグループ(6758)、村田製作所(6981)などが決算発表を予定しています。また、日本時間の29日午前3時には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表されるほか、28日の米国ではバイデン米大統領が施政方針演説を行う予定です。さらにアップル(AAPL)やフェイスブック(FB)、ボーイング(BA)、クアルコム(QCOM)などの決算発表も予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)