東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅続落となりました。日経平均は440円安の28,660円で寄り付くとまもなくして321円安の28,778円までやや持ち直しましたが、上値は重く下げ幅を広げると11時20分過ぎに667円安の28,432円まで下落し638円安で前場を終えました。569円安の28,531円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに680円安の28,419円まで下落し本日の安値を付けた後13時過ぎに468円安の28,631円まで戻しましたが、再び下げ幅を広げると結局591円安の28,508円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となり、東証マザーズ指数は3.3%安となっています。
2.個別銘柄等
東芝(6502)が3.3%安となりました。英投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズによる買収提案について東芝が「検討を中断する」との書面を受け取ったと発表したことで買収の可能性が低くなったとして売りが優勢となりました。楽天グループ(4755)も5.6%安となりました。中国ネットサービスのテンセントの子会社が3月に大株主となったことで顧客情報がテンセントを通じて中国当局に筒抜けになる事態を警戒し、日米両政府が経済安全保障の観点から楽天グループを共同で監視する方針を固めたと伝わったことで売りがかさみました。日本郵政(6178)も3.4%安となりました。傘下のオーストラリアの国際物流会社の物流部門を売却する方針を固め2021年3月期に700億円程度の特別損失を計上すると伝わったことが嫌気されました。また、景気敏感株に売りが出るなか大手鉄鋼株の下げが目立ち、日本製鉄(5401)とJFEホールディングス(5411)が5.4%安となったほか、神戸製鋼所(5406)も4.9%安となっています。
一方でソフトバンクグループ(9984)が一時2.2%高となる場面がありました。2021年3月期の純利益が4兆円台後半になる見通しと伝わったことが好感されました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は米国株安に加えて国内を含め世界で新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることが嫌気され下げ幅を広げ大幅安となりました。昨日は580円以上下げたことで3月下旬の調整局面でサポートとなった75日移動平均線を割り込みましたが、本日は590円以上の下落となったことで三角もちあいを下に放れる格好となってしまいました。そのため下値への警戒感が一段と高まりそうですが、これから始まる3月決算企業の本決算発表で弱気に傾きつつある流れを変えられるかがポイントとなりそうです。
なお、21日の米国ではベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)やラムリサーチ(LRCX)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)