BTCは史上最高値更新から一転して急落

米国最大手の暗号資産取引所のコインベースが4月14日、NASDAQに上場しました。前日4月13日(現地時間)にはBTCに買いが集まり、一時706万円を超える史上最高値を更新しましたが、この週末で状況が一転。4月18日(日)午前中に大幅に急落し、正午過ぎには一時556万円の安値を付けました。

米財務省がBTCなどのデジタル資産を介したマネーロンダリング(資金洗浄)について、規制を強化するとの懸念に関連して急落したとの報道もありましたが、この情報に関する信憑性は定かでないようです。

しかしながら、世界最大級のヘッジファンドであるブリッジウォーター・アソシエーツを率いるレイ・ダリオ氏も、3月に暗号資産の資金洗浄への厳しい規制に関するコメントを出しており、今後はこれらに関するコメントに注意が必要かもしれません。

BTC/JPY、戻りの目安は650万円のレジスタンスライン

チャネルレンジ下限ラインをブレイク

【図表1】BTC/JPY日足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC日足分析に移ります。並行チャネル寄りの上昇ウェッジを形成中でしたが、残念なことに下限サポートラインをクリアに割り込んできました。テクニカル的には上値が重くなっていきそうです。

注目ポイントとしては、650万円にレジサポラインが引けますので、ここまで順調に回復したとしても、この先の上値は重いかもしれません。

ボリンジャーバンドの±2-3σのバンド幅がまだしっかりとスクイーズしきらないうちに高値を超えましたので、少し急ぎすぎた印象も否定できません。

今後の値動きとしては、ボリンジャーバンド中心線を挟んだ揉み合い相場が理想です。今のところはスクイーズ期間を長めに取り、最終的にエクスパンションしていくような相場が望ましいと思います。良くてレンジ相場、悪くて2番底を見に行く展開でしょうか。

4時間足の押し目買いの水準はどこか

【図表2】BTC/JPY 4時間足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY 4時間足です。下降トレンド入りの足型となってしまいました。先述の通り、戻りの目安は650万円のレジスタンスラインです。

MACDは陰転し、マイナス圏で推移が始まっています。ボリンジャーバンド-1σ付近からの戻り売りは入りやすいかもしれません。620-650万円ゾーンで上値は重くなってくるでしょう。直近高値から20%以上を調整しましたが、2021年には既に20%以上の調整が2回ありました。最大30%の調整を覚悟しつつも、500-560万円ゾーンは逆に良い買い場のタイミングとなる可能性が高いと思います。

さて、筆者は、4月18日に安値をつけた近辺での押し目買いを視野に、引き続き買いポジションのキープを想定しています。追加資金を投入し、この560万円付近と500万円手前の2箇所で追加の買いを狙いたいところです。追加できる範疇での少額の追加エントリーにて、資金管理に十分注意したトレード戦略を考えています。

アルトコインの回復には、まだ早い?

【図表3】BTCドミナンスチャート
出所:Trading View

上記は1月18日付け記事でもご紹介したBTCドミナンスチャートです。BTCドミナンスチャートとは、暗号資産市場におけるBTCの割合を占めるチャートで、暗号資産市場全体を100とした場合、BTCの占める割合を算出したものです。

仮想通貨全体を眺めてみますと、BTCからアルトコインに資本が向かっていることがわかります。反発する様子もなく、断続的な下落トレンドはまだ続きそうです。
今回の急落もそうですが、ETH(イーサリアム)と比較しても、反発力はETHに分がありそうです。

ETHの値動きは4月上旬からの上昇トレンド継続か

【図表4】ETH/JPY 日足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETHの分析に移ります。ETH/JPYは急落したものの、現在は4本連続で陽線を形成中です。コラムを執筆しているうちに25万円手前のところまで上昇してきました。25万円の少し上にレジスタンスラインが控えていますが、これを難なく突破しますと、海外市場にてETHのショートカバーが入ると思いますので、さらに上値を追いかけやすい展開を予想します。

BTCドミナンスの下落も相まってETHを始めとしたアルトコインに資本が集まりやすい相場が続くだろうと思います。その理由としては、4月初めにBTCが660万円→615万円の下落があった際もアルトコインの下落は限定的であり、そういった値動きや兆候は色濃くなりつつあると判断しているからです。今回も同じパターンになり得るのではないかと考えています。

よって今週もETHに注目したいところです。直近安値付近である21-22万円ゾーンをバックに買いを検討するイメージです。2番底があったとしてもBTCよりも下落幅は限定的と判断し、追加エントリーの比率はETHを多めに考えています。既にMACDがゴールデンクロスしかけているテクニカル的な形状も強気理由の1つです。

BTCも買い目線を継続していきますが、筆者は引き続きETHの上昇相場の方に重きを置いて、上昇トレンド継続という判断をしています。