東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に反発しました。日経平均は47円安の29,573円で寄り付き直後に62円安の29,558円まで下落した後切り返すとプラスに転じ9時50分過ぎに166円高の29,787円まで上昇しましたが、買いが続かず上げ幅を縮めると36円高の29,657円で前場を終えました。昨日の終値とほぼ変わらずでスタートした後場の日経平均は後場寄り直後に再び下落に転じましたが、27円安の29,593円で下げ渋るとプラスに転じました。その後上値が伸び悩むとわずかにマイナスとなる場面もありましたが概ね小幅高で推移すると結局21円高の29,642円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場でゴールドマン・サックス(GS)やウェルズ・ファーゴ(WFC)が市場予想を上回る決算を受けて大幅高となった流れを受けてメガバンクが堅調でした。三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)が一時2.9%高となったほか、三井住友フィナンシャルグループ(8316)も一時3.2%高となりました。みずほフィナンシャルグループ(8411)も一時2.4%高となっています。また、原油価格の大幅上昇を受けて石油関連株も高く、INPEX(1605)が3.3%高となったうえ、コスモスエネルギーホールディングス(5021)も4.6%高となっています。さらにサイゼリヤ(7581)も6.1%高となりました。家賃や食材費などのコスト削減や政府の支援金が寄与し赤字を見込んでいた通期の最終損益が黒字を確保する見通しとなったことが好感されました。コメダホールディングス(3543)も2022年2月期の営業利益が3割を超す大幅な増益となる見通しを発表したことで6.2%高となっています。

一方で良品計画(7453)が4.8%安となりました。上期の営業利益が会社計画を下回り通期予想に対する進捗率も48%と50%を下回ったことで計画未達が懸念され売りがかさみました。串カツ田中ホールディングス(3547)も第1四半期の営業損益が6億円近い赤字となったことで8.6%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は21円高となりました。昨日の米国市場が高安まちまちとなり材料になりにくいなかで小幅に下落して始まりましたが、下げ渋るとプラスに転じ一時は160円以上上昇しました。しかし、上げ幅を縮め伸び悩みました。最近は上値が重い一方で節目の29,500円近辺では底堅いといった展開が続いていますが、本日もその通りの一日となりました。したがって引き続きこうした膠着した状態から抜け出せるかがポイントとなりそうです。

なお、今晩の米国では数多くの経済指標が発表される予定で、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や3月の米小売売上高、4月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数、4月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数などが発表されるほか、22時15分には3月の米鉱工業生産指数などが発表される予定です。また、バンク・オブ・アメリカ(BAC)やシティグループ(C)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)などの決算発表も予定されています。さらに明日は中国で数多くの経済指標が発表される予定で日本時間の11時には1-3月期の中国のGDPが発表されることから注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)