【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,730.89  △53.62 (4/14)
NASDAQ: 13,857.84  ▼138.26 (4/14)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ファイザー(PFE)が5月末までにワクチン供給量を10%増やすことが可能との見通しを示したことで経済活動の正常化が順調に進むとの見方から景気敏感株に買いが入りダウ平均は3日ぶりに小幅反発となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は主力ハイテク株に売りが出て反落となりました。8ドル安でスタートしたダウ平均は直ぐにプラスに転じ昼前に233ドル高まで上昇するとしばらく高値圏で堅調に推移しましたが、主力ハイテク株の下落が重荷となり取引終盤に上げ幅を縮めると結局53ドル高の33,730ドルで取引を終えています。

一方でS&P500株価指数が16ポイント安の4,124ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も138ポイント安の13,857ポイントとなり、ナスダック総合株価指数は1%に近い下落となっています。

2.経済指標等

米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備理事会(FRB)は経済活動の回復が穏やかなペースで加速したとしています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスや情報技術、コミュニケーション・サービスなどの6業種が下げ、一般消費財・サービスと情報技術は1%以上下落しました。一方でエネルギーや金融、素材などの5業種が上げ、エネルギーは3%近く上昇しています。

4.個別銘柄動向

決算が市場予想を上回ったことでゴールドマン・サックス(GS)が2%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。ウェルズ・ファーゴ(WFC)も同じく決算が市場予想を上回ったことで5%を超える上昇となっています。また、エクソンモービ(XOM)も投資判断の引き上げを受けて3%近く上げています。さらにバイオ製薬のモデルナ(MRNA)が新型コロナウイルワクチンの強い予防効果を発表したことで7%近く上昇しています。

一方でハイテク株に利益確定の売りが出るなか電気自動車のテスラ(TSLA)が4%近く下げたほか、フェイスブック(FB)とネットフリックス(NFLX)も2%以上下落し、アマゾン・ドット・コム(AMZN)とアップル(AAPL)も2%近く下げました。半導体株も安くアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とエヌビディア(NVDA)が2%以上下落し、クアルコム(QCOM)も2%近く下げています。なお、ナスダック証券取引所に上場した仮想通貨取引所のコインベース・グローバル(COIN)は参考価格を31%余り上回って取引を終えています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い1.63%となりました。ドル円は108円90銭台で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことで小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか売りが優勢となった場合には日経平均が節目の29,500円を前に底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)