東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に反発しました。46円高の29,743円で寄り付いた日経平均は取引開始から40分弱で171円高の29,867円まで上昇した後上げ幅を縮めるとマイナスに転じ10時50分前に173円安の29,523円まで下落しましたが、持ち直すと10円安の29,685円で前場を終えました。プラスに転じ14円高の29,711円でスタートした後場の日経平均は13時過ぎに113円高の29,810円まで上昇した後14時20分前に4円高の29,700円まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく下げ渋るとやや戻し結局34円高の29,730円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。
2.個別銘柄等
東芝(6502)が18.3%上昇しストップ高となりました。英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズなどが東芝の買収準備を進めており、買収額の目安として足元の株価の3割程度のプレミアム(上乗せ幅)を提示したと伝わったことで買いを集めました。日本郵船(9101)も3.3%高となりました。商船三井(9104)と川崎汽船(9107)で共同出資するコンテナ船会社の業績が想定を上回ったことで2021年3月期の経常利益が従来予想の1600億円を上回り約2000億円になりそうだと発表したことが好感されました。商船三井と川崎汽船にも買いが波及し、商船三井が2.6%高、川崎汽船も4.0%高となっています。
また、投資判断と目標株価の引き上げに大きく反応したのがいすゞ(7202)とNEC(6701)で、いすゞは外資系証券が投資判断と目標株価を引き上げたことで5.7%高となり、NECも国内大手証券が投資判断と目標株価を引き上げたことで3.7%高となり年初来高値を更新しています。産廃処理大手のダイセキ(9793)も国内大手証券が目標株価を引き上げたことで3.9%高となり上場来高値を更新しています。
一方で武田薬品工業(4502)が一時2.9%安となりました。治験で有効性が確認できなかったことで米CSLベーリングなどと進める新型コロナウイルス感染症治療薬の開発を断念したことが嫌気されました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は34円高となりました。昨日の米国市場は利益確定の売りが出て小幅に反落となりましたが、昨日に大きく下げた反動で買いが優勢となりました。ただ、新たな買い材料に乏しいこともあって下落に転じると一時は170円以上下げる場面もありました。また、400円近く下げた翌日にも関わらず小幅な上昇に止まりました。昨日に続いて本日も上値の重さが意識される展開となりましたが、そうしたなかで30,000円を試すような動きが今週中に再びみられるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の8日午前3時には3月開催米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)