東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日ぶりに大幅反落となりました。日経平均は米国株高を受けて119円高の30,208円でスタートしましたが、寄り付きを高値に上げ幅を縮め取引開始から5分余りでマイナスに転じるとしばらくは昨日の終値を挟んで小幅に揉み合いました。しかし、徐々に売りが優勢となるなか10時40分過ぎに節目の30,000円を割り込むと売りが加速しそこから大きく下げ幅を広げました。226円安の29,863円で前場を終えた日経平均は265円安で後場をスタートさせると一段安となり14時50分前に423円安の29,665円まで下落し結局392円安の29,696円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

神戸製鋼所(5406)が3.4%高となり年初来高値を更新しました。経費の支出が抑制されたことや半導体不足に伴う自動車の減産リスクが実現しなかったことなどにより2020年3月期の業績予想を上方修正したことに加え、復配を発表したことが好感されました。キユーピー(2809)も6.9%高となり年初来高値を更新しました。巣ごもり需要を背景にマヨネーズやドレッシングなど家庭用が好調だったことなどから第1四半期の営業利益が大幅な増益となったことが評価されました。ビックカメラ(3048)も4.7%高となり年初来高値を更新しました。郊外店で調理家電や美容家電など利益率の高いプライベートブランド(PB)の販売が巣ごもり需要で伸びたことなどで通期の利益予想を上方修正したことで買いを集めました。スタジオアリス(2305)も七五三撮影の最需要期である10、11月の業績が想定を上回って推移したことや緊急事態宣言下での売上高の落ち込みが限定的であったことなどから2021年2月期の業績予想を上方修正したことで8.1%高となり年初来高値を更新しています。

一方でしまむら(8227)が9.5%安となりました。前期比で小幅な営業増益に止まる2022年2月期の業績予想が嫌気されました。あさひ(3333)も前期比で大幅な減益となる2022年2月期の業績予想を発表したことで4.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は392円安となりました。先週末に発表となった米雇用統計や昨日発表の米ISM非製造業景況感指数が良好な結果となったことを好感して昨日の米国市場が大幅続伸となりダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新したことで買いが先行しました。しかし、3月25日から昨日までに1,700円近くも上げていたこともあって利益確定の売りが出て寄り付きを高値に上げ幅を縮めるとマイナスに転じ30,000円の節目を割り込み下げ幅を広げました。日経平均は30,000円の大台を回復すると押し返される展開が続いているだけに30,000円台での上値の重さが改めて意識されそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)