東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続伸となりました。日経平均は230円高の30,084円と30,000円の大台を回復して寄り付つくと取引開始から5分余りで341円高の30,195円まで上昇した後9時20分過ぎに170円高の30,024円まで上げ幅を縮めましたが、30,000円を割り込むことなく踏み止まるとやや持ち直し229円高の30,083円で前場を終えました。後場の日経平均は255円高の30,109円でスタートすると大引けまで30,100円を挟んで小幅に揉み合う展開となり結局235円高の30,089円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

商船三井(9104)が5.7%高となりました。旺盛な需要と堅調な運賃市況を背景に日本郵船(9101)と川崎汽船(9107)で共同出資するコンテナ船会社の業績が想定を大きく上回ったことから950億円とみていた2021年3月期の経常利益が1200億円になりそうだと発表したことが好感されました。日本郵船と川崎汽船にも買いが波及し、日本郵船が5.7%高、川崎汽船も4.9%高となっています。カジュアル衣料大手のアダストリア(2685)も3.2%高となりました。緊急事態宣言の解除に伴って客数が回復し春物商品が順調に売上を伸ばしたことで3月の既存店売上高が前年同月比17.8%増となり5カ月ぶりに前年を上回ったことで買いを集めました。さらに子供服のナルミヤ・インターナショナル(9275)も気温の上昇に伴い春物から夏物衣料や入園、入学、新学期関連商品が好調に推移したことで3月度の既存店売上高が前年同月比40.7%増と高い伸びとなったことで6.7%高となり年初来高値を更新しています。

また、投資判断や目標株価の引き上げに反応したのが日本製鉄(5401)や荏原製作所(6361)で、日本製鉄は目標株価の引き上げを受けて2.4%高となり、荏原製作所も投資判断と目標株価の引き上げを受けて3.9%高となり年初来高値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は235円高となりました。先週末の米国市場は聖金曜日で休場でしたが、米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を大きく上回ったことから先週末の日本市場の堅調な地合いを引き継いで買いが優勢となりました。その結果30,000円の大台を回復しましたが、一目均衡表の雲の上限(29,506円)を抜けてきた翌営業日にすんなりと節目を上回ってきたことから2月16日に付けた年初来高値(30,467円)更新への期待が一段と高まりそうです。

なお、小売り企業の決算発表が本格化していますが本日は引け後にアダストリア(2685)やしまむら(8227)が決算を発表する予定です。また、日本時間の23時には3月の米ISM非製造業景況感指数の発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)