先週の「マーケット展望」で「日経平均は3万円の大台を回復」と予想したが、先週末終値は2万9854円とあと一歩及ばず。しかし今週こそは3万円の大台を回復できるだろう。その根拠は米国の長期金利上昇も天井感が見え始めたこと。
先週末発表された米国の雇用統計で非農業部門雇用者数は前月から91万6000人増え、67万人程度の増加を見込んだ市場予想を上回った。これほどの改善を見せたのだから長期金利は当然のように上昇したが、それでも1.73%止まり。先週、長期金利は高いところでは1.77%まであったが、バイデン大統領による大型インフラ政策の発表(3月31日)や1983年以来37年ぶりの高水準となったISM製造業景気指数の発表(4月1日)を受けても米10年債利回りは上昇するどころか低下した。米国経済の活況はほぼ織り込んだということだろう。
こういう状況になれば半導体株やハイテク株などグロース株の巻き返しが期待できる。
国内のコロナ感染状況は予断を許さないが、ファンダメンタルズは改善が明確だ。先週発表された日銀短観で大企業製造業DIはプラス5。市場予想を上回った。2021年度の設備投資計画も全規模製造業で前年度比3.0%増と市場予想を超える堅調さだ。
今週は小売の決算が本格化する。5日のしまむら(8227)、7日のウエルシアHD(3141)、そして8日のファーストリテイリング(9983)、7&I(3382)が注目される。小売りではないが9日には安川電機(6506)の決算発表がある。毎回のことだが、これに続く3月決算銘柄の製造業の先行指標として大きな注目だ。
今週の予想レンジは2万9700円~3万700円とする。