東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて大幅続伸となりました。日経平均は315円高の29,704円で寄り付くと取引開始から10分弱で451円高の29,840円まで上昇した後11時10分過ぎに316円高の29,705円まで上げ幅を縮めると331円高で前場を終えましたが、後場に入って持ち直し大引け間際に480円高の29,869円まで上昇すると結局465円高の29,854円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

半導体受託生産で世界最大手の台湾のTSMCが今後3年で1000億ドルの大型投資に踏み切る計画を明らかにしたことで半導体製造装置関連銘柄が買われました。東京エレクトロン(8035)が3.0%高となり初めて5万円台に乗せ上場来高値を更新したほか、レーザーテック(6920)も5.7%高となり上場来高値を更新しました。SCREENホールディングス(7735)やアドバンテスト(6857)も高く、SCREENホールディングスが3.1%高、アドバンテストも4.2%高となり揃って年初来高値を更新しています。半導体ウエハーの検査器具を手掛ける日本電子材料(6855)や日本マイクロニクス(6871)にも物色が広がり、日本電子材料が11.2%高、日本マイクロニクスも6.6%高となっています。

また、昨日の米国市場でナスダック総合株価指数が大幅高となったことでソフトバンクグループ(9984)が4.2%高となりました。指数寄与度の大きいファーストリテイリング(9983)も2.9%高となり、ファーストリテイリングとソフトバンクグループの2銘柄で日経平均を176円近く押し上げています。さらに菅首相が子育て政策などについて省庁横断で取り組む「子ども庁」の創設を自民党で検討してほしいと指示を出したことで保育施設を幅広く運営するJPホールディングス(2749)が買いを集め15.7%高となり年初来高値を更新しました。ジャスダック市場でも保育所を運営する幼児活動研究所(2152)が30.0%上昇しストップ高となりこちらも年初来高値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は465円高となりました。米長期金利の上昇一服を受けてハイテク株に買いが入り昨日の米国市場が上昇し、S&P500株価指数が初めて4,000ポイント台に乗せ史上最高値を更新する展開となったことから大幅高となりました。そのため日経平均は一目均衡表の雲の上限(29,506円)をしっかりと抜けてきました。上値余地が広がる格好となったことで30,000円の大台回復だけでなく、2月16日に付けた高値(30,467円)更新への期待も高まりそうです。

なお、今晩の米国市場は聖金曜日で休場ですが、日本時間の21時30分には3月の米雇用統計が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)