東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は5日ぶりに反発しました。日経平均は51円高の28,457円で寄り付き取引開始から20分弱で246円高の28,652円まで上昇した後弱含むと10時40分前に9円高の28,414円まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく踏み止まると切り返し、11時20分過ぎに351円高の28,757円まで上昇して303円高で前場を終えました。
278円高の28,683円でスタートした後場の日経平均は12時40分に190円高の28,595円まで上げ幅を縮めましたが、持ち直すと14時30分には416円高の28,821円まで上昇しました。その後引けにかけてやや上げ幅を縮めた日経平均ですが結局324円高の28,729円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数がわずかに下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。
2.個別銘柄等
三井金属鉱山(5706)が5.8%高となりました。銅鉱山の権益譲渡に伴う特別利益を計上することや銅など金属価格の上昇を織り込んで通期の業績予想を上方修正したことに加え、銅鉱山事業から撤退する代わりに経営資源を成長分野である機能材料事業に振り向けると伝わったことなどが好感されました。
北陸電力(9505)も5.8%高となりました。2020年末から続いた卸電力取引所での価格高騰が落ち着き費用の増加が想定を下回ることなどから通期の業績予想を上方修正したことや増配を発表したこともあって買いを集めました。また、原油価格の上昇を受けて国際石油開発帝石(1605)や出光興産(5019)、コスモスエネルギーホールディングス(5021)も高く、国際石油開発帝石が3.2%高、出光興産が2.6%高、コスモスエネルギーホールディングスも3.0%高となっています。
さらにマザーズ市場ではアンジェス(4563)が15.0%上昇しストップ高となりました。カナダのバイオ医薬品企業と共同開発中の新型コロナウイルス感染症治療薬の治験で良好な結果が得られたと発表したことが材料視されました。
一方でソフトバンクグループ(9984)が2.8%安となり7日続落となりました。米証券取引委員会(SEC)が米国の監査基準を満たさない外国企業を市場から締め出す規制の導入を開始したことを明らかにするなか、ソフトバンクグループが出資するアリババ集団(BABA)が念頭にあると報じられアリババ集団が大幅安となったことや、昨日の米国市場でナスダック総合株価指数が2%安となったこともあって売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は324円高となりました。昨日の米国市場はハイテク株に売りが出て下落となりましたが、昨日までの4日間で1,800円以上も下げていたこともあって買いが優勢となり、朝方に伸び悩む場面もあったものの昨日の終値を前に底堅さをみせると上げ幅を広げ一時410円以上上昇しました。昨日の下げで2月16日の終値(30,467円)を一番天井、3月18日の終値(30,216円)を二番天井とするダブルトップが完成したことで下値への警戒が強まっていますが、こうしたなかで明日以降も引き続き買い戻しの動きみられるかがポイントとなりそうです。
なお、日本時間の21時30分には2020年10-12月期の米GDP確定値や米新規失業保険申請件数が発表される予定です。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )