【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 32,627.97 ▼234.33 ( 3/19 )
NASDAQ: 13,215.24 △99.07 ( 3/19 )
1.概況
先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は米連邦準備理事会(FRB)が新型コロナウイルスの感染拡大に対応して導入した銀行の資本規制の緩和を延長しないと発表したことで金融株が売られたことや、ビザ(V)などの大幅下落も重石となり続落となりましたが、ナスダック総合株価指数はハイテク株に買い戻しが入ったことで反発しました。
3ドル安とほぼ横ばいでスタートしたダウ平均ですが寄り付きを高値に下げ幅を広げるとまもなくして357ドル安まで下落しました。その後持ち直したダウ平均ですが軟調に推移すると引けにかけて再び下げ幅を広げ結局234ドル安の32,627ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も2ポイント安の3,913ポイントとなっています。
一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は99ポイント高の13,215ポイントとなりました。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスや一般消費財・サービス、ヘルスケアなどの6業種が上げました。一方で不動産や金融、資本財・サービスなどの5業種が下げ、不動産と金融は1%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では米当局がデビットカード決済を巡る反競争的行為の疑いで調査していると伝わったことでビザが6%以上下げ、1銘柄でダウ平均を85ドル近く押し下げました。また、トラベラーズ(TRV)も5%近く下げたほか、決算で売上高が市場予想を下回ったスポーツ用品のナイキ(NKE)も4%近く下落しています。さらにFRBが銀行の資本規制の緩和を延長しないと発表したことでJPモルガン・チェース(JPM)とゴールドマン・サックス(GS)も1%以上下落しました。ダウ平均構成銘柄以外でもウェルズ・ファーゴ(WFC)が3%近く下落し、バンク・オブ・アメリカ(BAC)とシティーグループ(C)も1%余り下げています。
一方でハイテク株に買い戻しが入るなかフェイスブック(FB)が4%以上上げたうえ、アマゾン・ドット・コム(AMZN)とネットフリックス(NFLX)も1%を超える上昇となりました。物流大手のフェデックス(FDX)も決算で1株利益が市場予想を上回ったことで6%余り上げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.01%高い1.72%となりました。ドル円は108円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は先週末の米国市場でダウ平均が続落となったことから下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の29,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)