【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  32,953.46   △174.82  ( 3/15 )
NASDAQ:  13,459.71   △139.84  ( 3/15 )

1.概況

米国市場は1.9兆ドル規模の経済対策に盛り込まれた1人最大1400ドルの現金給付の手続きが始まったと伝わったことで上昇し、ダウ平均とS&P500株価指数が連日で史上最高値を更新しました。20ドル高でスタートしたダウ平均は直後に150ドル高余りまで上昇した後上げ幅を縮めるとマイナスに転じ昼前に148ドル安まで下落しましたが、持ち直し引けにかけて上げ幅を広げると結局174ドル高の32,953ドルと7日続伸となり4日連続で史上最高値を更新しています。

また、S&P500株価指数も25ポイント高の3,968ポイントと5日続伸となり3日連続で史上最高値を付けています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も長期金利の上昇一服を受けてハイテク株に買いが入り139ポイント高の13,459ポイントと反発し1%の上昇となっています。

2.経済指標等

3月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数は17.4と前月から上昇し市場予想も上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、公益事業と一般消費財・サービス、不動産、情報技術が1%を超える上昇となりました。一方でエネルギーと金融の2業種が下げ、エネルギーは1%以上下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではマクドナルド(MCD)が4%近く上げたほか、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)とナイキ(NKE)も3%を超える上昇となりました。また、スリーエム(MMM)とアップル(AAPL)、アムジェン(AMGN)、メルク(MRK)も2%以上上げています。一方でダウ(DOW)が2%を超える下落となり、ボーイング(BA)とシェブロン(CVX)、アメリカン・エキスプレス(AXP)も1%以上下げました。

ダウ平均構成銘柄以外では、米国の1日当たりの空港利用者数が昨年3月中旬以来の高水準となったことで空運株が高く、ユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が8%を超える上昇となり、アメリカン航空グループ(AAL)も7%以上上げています。製薬のイーライ・リリー(LLY)は開発中のアルツハイマー型認知症治療薬の治験データが市場の期待ほど高い有効性を示さなかったことで9%余り下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%低い1.60%となりました。ドル円は109円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。今週に米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融政策決定会合の結果発表を控えて様子見となりやすいなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)