東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続伸となりました。日経平均は2円安の29,033円で寄り付くと朝方に41円安の28,995円まで下落する場面もありましたが、徐々に買いが優勢となり上げ幅を広げると前引け間際に164円高の29,201円まで上昇し143円高の29,179円で前場を終えました。前場の高値を上回り178円高の29,214円でスタートした後場の日経平均は後場寄り直後に182円高の29,219円まで上昇した後13時10分過ぎに94円高の29,131円まで上げ幅を縮めましたが、その後持ち直すと14時50分に218円高の29,255円まで上昇し結局175円高の29,211円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が上昇となっています。

2.個別銘柄等

海運大手3社が投資判断や目標株価の引き上げを受けて大幅高となりました。目標株価の引き上げを受けて日本郵船(9101)が7.3%高となり昨年来高値を更新したうえ、商船三井(9104)も目標株価の引き上げを受けて7.5%高となりこちらも昨年来高値を更新しました。川崎汽船(9107)は投資判断と目標株価の引き上げを受けて急伸し12.7%高となっています。また、清水建設(1803)と伊藤忠テクノソリューションズ(4739)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて買われ、清水建設が3.2%高となり、伊藤忠テクノソリューションズも5.4%高となっています。スギホールディングス(7649)も4.8%高となり昨年来高値を更新しました。2月の既存店売上高が前年同月比3.0%減と前年割れとなりましたが、昨年2月が20.9%増と大きな伸びとなっていただけに小幅な減少に止まったことが評価されました。さらにカプコン(9697)も1株を2株にする株式分割を発表したことで4.5%高となっています。

一方で富士急行(9010)が3.6%安となりました。GoToトラベルキャンペーンが全国で一時停止されたことや新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言の再発出などを受けて業績予想を下方修正し、通期の営業赤字が拡大する見通しとなったことで売りがかさみました。村田製作所(6981)も投資判断と目標株価の引き下げを受けて3.1%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は175円高となりました。米下院が1.9兆ドル規模の追加経済対策を再可決したことで経済対策が成立する見通しとなり景気敏感株が買われたことで昨日の米国市場でダウ平均が460ドルを超える上昇となり史上最高値を更新したことから続伸となりました。このところ上値の重さが意識される場面が目立つこともあって朝方にマイナスとなるなど伸び悩む場面もありましたが、徐々に買いが優勢になると取引終盤に上げ幅を広げ一時は210円以上上昇する場面もありました。こうしたなかで明日以降も上昇が続いた場合にはTOPIXに続いて25日移動平均線(29,449円)を回復できるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の21時45分には欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表されるほか、それを受けて22時30分にはラガルドECB総裁の記者会見も予定されています。また、同じく22時30分には米新規失業保険申請件数が発表される予定です。さらに明日は3ヶ月に一度のメジャーSQで寄り付きの動向が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)