【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,270.09  ▼121.43 (3/3)
NASDAQ: 12,997.75  ▼361.04 (3/3)

1.概況

米国市場は金利上昇を嫌気してハイテク株に売りが出て続落となりました。38ドル安でスタートしたダウ平均はしばらく前日終値を挟んで小幅に揉み合った後買いが優勢となり午後に一時171ドル高まで上昇しましたが、買いが続かず引けにかけて下落に転じると結局121ドル安の31,270ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も361ポイント安の12,997ポイントと節目の13,000ポイントを割り込み2.7%の下落となっています。

2.経済指標等

2月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は11万7000人増に止まり市場予想を下回りました。2月の米ISM非製造業景況感指数も55.3と前月から低下し市場予想を下回りました。米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備理事会(FRB)は経済活動が大部分の地区で穏やかに拡大しているとしています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、情報技術と一般消費財・サービスが2%以上下落し、コミュニケーション・サービスとヘルスケア、公益事業、不動産、素材も1%以上下げています。一方でエネルギーと金融、資本財・サービスの3業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となりました。

4.個別銘柄動向

ハイテク株が売られるなかダウ平均構成銘柄ではセールスフォース・ドットコム(CRM)が3%以上下げ下落率トップとなったほか、マイクロソフト(MSFT)とアップル(AAPL)、インテル(INTC)も2%を超える下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外でも電気自動車のテスラ(TSLA)と動画配信のネットフリックス(NFLX)が5%近く下げ、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も3%近く下落しました。グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も2%以上下げています。半導体株も安くエヌビディア(NVDA)が4%以上下げ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も4%近く下落しました。クアルコム(QCOM)も3%以上下げています。

一方でバイデン米大統領が5月末までに米国の成人全員分のワクチンを確保できると述べたことで空運株が高く、アメリカン航空グループ(AAL)が3%以上上げ、ユナイテッド航空ホールディングス(UAL)も2%を超える上昇となりました。また、1ドルショップのダラー・ツリー(DLTR)が決算で1株利益が市場予想を上回ったことなどで3%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.09%高い1.48%となりました。ドル円は107円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(昨日時点で29,277円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)