東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は利益確定の売りが出て3日ぶりに反落となりました。100円安の30,366円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分弱で276円安の30,191円まで下落した後切り返すと9時30分過ぎに69円安の30,398円まで戻しましたが、上値は重く再び下げ幅を広げると265円安の30,202円で前場を終えました。219円安の30,247円でスタートした後場は12時50分過ぎに105円安の30,361円まで持ち直した後13時40分過ぎに193円安の30,273円まで下げ幅を広げましたが、14時30分過ぎには92円安の30,375円まで戻しました。その後、日経平均は引けにかけて下げ幅を広げると結局175円安の30,292円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。

2.個別銘柄等

日本航空(9201)とANAホールディングス(9202)が揃って4.2%高となりました。昨日の米国市場でも新型コロナウイルスワクチン普及への期待からユナイテッド航空ホールディングス(UAL)やアメリカン航空グループ(AAL)、デルタ航空(DAL)などの空運株が買われましたが、国内でも医療従事者を対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種が本日から始まったことで日本市場でも空運株に物色が向かいました。

ウエディング関連も買われテイクアンドギヴ・ニーズ(4331)が14.7%上昇しストップ高となったほか、ワタベウェディング(4696)も13.2%高、エスクリ(2196)も11.3%高となりました。テレワークの縮小で紳士服の販売が回復するとの見方から青山商事(8219)とAOKIホールディングス(8214)も高く、青山商事が8.1%高、AOKIホールディングスも6.1%高となりました。

また、石油元売り最大手のENEOSホールディングス(5020)も4.0%高となりました。これまで難しかった市街地の給油所で燃料電池車(FCV)向け水素充填サービスを展開すると報じられたことが材料視されました。出光興産(5019)も超小型電気自動車の事業に参入し2022年中に全国の給油所を拠点にカーシェアや実車販売を始めると発表したことで4.0%高となっています。

一方でブリヂストン(5108)が4.1%安となりました。2021年12月期の調整後営業利益が前期比16.6%増の2600億円となる見通しを発表しましたが市場の期待に届かなかったことで売りがかさみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は175円安となりました。昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな材料に乏しいなかで高値警戒感もあり売りが優勢となりました。ただ、今月に入って昨日までに2,800円以上上昇し、昨日と一昨日の2日間だけでも950円近く上げていたことからすると当然の一服で、昨日時点で25日移動平均線との乖離率が6%近くまで広がり短期的な過熱感もあったことからするとさすがにスピード調整が必要ということなのかもしれません。

なお、日本時間の22時30分には1月の米小売売上高と1月の米卸売物価指数(PPI)が発表されるうえ、23時15分には1月の米鉱工業生産が発表される予定です。また、1月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表も予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)