株価と実体経済がずれているのではないか、という議論があります。しかし日経平均が4万円近くの高値から1万円割れの安値まで推移した間、即ち株価が1/4になった間に、我が国のGDPはほとんど変化しませんでした。逆に云えば、GDPがさほど増えなくても、株価は上がり得ると云うことです。
GDPと上場企業時価総額和の関連の議論もあります。曰く、今は時価総額がGDPを超えてきていて、株価は割高ではないかと。これは所謂バフェット指数というものでもあり、私もかつて同じような考え方をしていました。しかし今は、世界中で第二次世界大戦後未曾有の超大量金融緩和をしており、桁が違う規模のマネーが市場に溢れています。GDPと上場企業時価総額和が、どちらも或る意味で付加価値の創造量であるとの意味で相関があるとは思うのですが、それが1対1の関係である科学的な理由が元々あった訳ではなく、たまたま一昨年までの数十年間の歴史では、長めに見ると1対1の周辺で相関があったと云うだけです。
そして今は市場に放たれた総マネー量が桁違いに多いので、この比率がある程度変わっても不思議はありません。いや、むしろ変わるべきでしょう。なので、株価はまだ上がっても全然不思議ではありません。上がると決めつけてるのではありません。しかし実体経済との関係で行き過ぎであると云う議論は、上に述べたように、そうとは云えないと、私は主張しているのです。
今日のマーケットを眺めていると、楽しいですよね。上がるもマーケット、下がるもマーケット。しかし下がるべきだと思いながらマーケットに臨む合理的・確定的な理由はないと思います。投資もトレーディングも、目の前に拡がる現実を受け入れるところから始まります。素直にマーケットを見つめたいですね!