東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は4日ぶりに反落となりました。日経平均は89円安の28,557円で寄り付くと9時30分前に46円安の28,600円まで持ち直しましたが、戻し切れないと下げ幅を広げ10時に199円安の28,446円まで下落し130円安の28,516円で前場を終えました。191円安の28,454円でスタートした後場の日経平均は一段安となり14時10分前に320円安の28,325円まで下落するとその後も28,300円台で推移し結局304円安の28,341円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が上昇となった一方で、日経ジャスダック平均は下落となっています。
2.個別銘柄等
ソニー(6758)が9.5%高となり昨年来高値を更新しました。巣ごもり消費によりゲームやテレビなどの利益が想定を上回っていることから2021年3月期の営業利益を7000億円から9400億円に引き上げ過去最高益を更新する見通しとなったことで買いを集めました。日立(6501)も4.7%高となり昨年来高値を更新しました。DX(デジタルトランスフォーメーション)の需要増を追い風に高利益率のIT事業が伸びていることなどから2021年3月期の調整後営業利益を4000億円から4200億円に引き上げたことが評価されました。
また、2021年3月期の営業利益の見通しを185億円から192億円に引き上げたことで小幅な減益予想が小幅な増益予想となったハウス食品グループ本社(2810)も3.7%高となり昨年来高値を更新しています。
一方でヤフーなどを傘下に持つZホールディングス(4689)が6.4%安となりました。第3四半期9カ月間累計の営業利益は前年同期比15.1%増の増益となりましたが、第3四半期3カ月間の営業利益が前年同期比8.1%減と減益に転じたことが嫌気されました。花王(4452)も8.2%安となりました。2020年12月期の営業利益が前期比17.1%減の1756億円となり1900億円を見込んでいた会社計画を下回ったことで売りがかさみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は304円安となりました。昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しかったことで売りが優勢となりました。また、ファーストリテイリング(9983)と東京エレクトロン(8035)、ファナック(6954)、エムスリー(2413)、アドバンテスト(6857)の5銘柄で日経平均を170円近く押し下げるなど指数寄与度の大きい銘柄の下落が重石となり下げ幅を広げました。しかし、昨日までの3日間で1,000円近く上げていたことからすると当然の調整だとみることもできます。
なお、決算発表が本格化していますが本日も引け後に武田薬品工業(4502)やマツダ(7261)、ソフトバンク(9434)、三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)