東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発しました。日経平均は119円高の28,665円で寄り付くと取引開始から40分弱で208円高の28,754円まで上昇しましたが、利益確定の売りが出て上げ幅を縮めるとマイナスに転じ11時10分過ぎに4円安の28,542円となりました。下げ渋ったことで直ぐに持ち直し49円高の28,596円で前場を終えた日経平均は62円高の28,608円で後場をスタートさせると13時10分過ぎに102円高の28,648円まで上昇した後13時40分過ぎに39円高の28,585円まで上げ幅を縮めました。しかし、その後持ち直すと引け間際に103円高の28,649円まで上昇し結局89円高の28,635円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

日東電工(6988)が7.9%高となり昨年来高値を更新しました。今期から量産を始めたスマホ向け高精度基板など好採算の製品の販売が拡大していることや、在宅勤務やオンライン授業の広がりでパソコンやタブレット端末向け光学フィルムの販売も伸びていることから通期の営業利益の見通しを750億円から900億円へと引き上げたことが評価されました。住友林業(1911)も米国での住宅市場の好調さが意識され5.2%高となりました。信越化学工業(4063)が米国で好調な住宅販売などに対応するため約1300億円を投じ米国に住宅や水道管などに使う汎用樹脂の新工場を建てると報じられたことから米国で住宅販売を手掛ける住友林業に買いが向かいました。

また、投資判断や目標株価の引き上げに反応したのが良品計画(7453)やオープンハウス(3288)で、良品計画は投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時4.3%高となり、オープンハウスも目標株価の引き上げを受けて4.0%高となりました。

一方でディスコ(6146)が4.1%安となりました。第3四半期の営業利益は前年同期比で4割を超す増益となりましたが、株価が好業績を見込んで水準を切り上げていたこともあって材料出尽くしとなり利益確定の売りに押されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は89円高となりました。昨日の米国市場が小幅な下落に止まり売り材料になりにくいなかで昨日に大きく下落した反動もあって買いが優勢となりました。しかし、一時200円以上上昇したものの米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えていることもあって持ち高調整や利益確定の売りが出て上げ幅を縮めました。そのFOMCですが日本時間の28日午前4時に結果が発表されます。金融政策に変更はないとみられますが、パウエルFRB議長から会見で量的金融緩和の縮小(テーパリング)の開始時期などについて何かしら言及があるかどうかが注目されます。

なお、今週から3月決算企業の第3四半期決算発表がスタートしていますが、本日も引け後に信越化学工業(4063)やオムロン(6645)、ファナック(6954)などが決算を発表する予定です、また、27日の米国でもボーイング(BA)やアップル(AAPL)、フェイスブック(FB)、テスラ(TSLA)など注目度の高い企業の決算発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)