東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は反落となりました。日経平均は176円安の28,580円で寄り付くとまもなくして229円安の28,527円まで下落しましたが、節目の28,500円を前に下げ渋ると切り返し11時過ぎには58円安の28,698円まで下げ幅を縮め109円安で前場を終えました。133円安の28,623円でスタートした後場の日経平均は14時30分前に60円安の28,696円まで持ち直す場面もありましたが、後場を通して28,600円台で推移すると結局125円安の28,631円で取引を終えています。一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。
2.個別銘柄等
資生堂(4911)が4.4%高となりました。日用品事業を欧州系大手投資ファンドに売却する方向で最終調整に入ったと伝わったことで構造改革が進むとの期待が高まりました。アルペン(3028)も一時14.7%高まで上昇し昨年来高値を更新しました。密を避けられるスポーツやレジャーとしてゴルフやアウトドア用品が好調だったことなどで通期の営業利益の見通しを64億円弱から133億円に上方修正したことが評価されました。電通国際情報サービス(4812)も4.8%高となりました。2020年12月期の営業利益の見通しを105億円から122億円弱に上方修正したうえ、年間配当も引き上げたことが好感されました。東京製綱(5981)が28.0%上昇の1,372円となりストップ高となりました。日本製鉄(5401)が現在9.9%の出資比率を19.9%まで高めるため1株1,500円の買い付け価格でTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表したことで買いを集めました。一方で日本製鉄(5401)はTOBのメリットが明確でないこともあって3.5%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は125円安となりました。昨日の米国市場が高安まちまちで買い材料になりにくいなか高値を更新した翌日で利益確定の売りが出やすいこともあって一時は230円近く下げる場面もありました。しかし、節目の28,500円を前に切り返し下げ幅を縮めるなど引き続き押し目買い意欲は健在なようです。29,000円の節目を前に足踏みが続いていますが、来週からスタートする3月決算企業の第3四半期決算を受けて一段高となり29,000円を試すような動きがみられるかポイントとなりそうです。なお、日本時間の23時45分には1月の米PMI速報値が発表されるほか、23日午前0時には2020年12月の米中古住宅販売件数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)