東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日続伸となりました。日経平均は24円安の28,140円で寄り付くと直後に30円安の28,133円までやや下げ幅を広げた後プラスに転じるとしばらく小幅高で推移しましたが、10時50分頃から上げ幅を大きく広げると前引け間際に195円高の28,360円まで上昇し161円高で前場を終えました。178円高の28,342円でスタートした後場は一段高となり14時10分に339円高の28,503円まで上昇しました。節目の28,500円をわずかに上回ったところで上値が押さえられると上げ幅をやや縮めた日経平均ですが、その後も28,400円台で推移すると結局292円高の28,456円で取引を終え昨年来高値を更新しています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均も揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

自動車各社が半導体不足で減産しているとの報道が相次いでいることから半導体関連株に買いが向かいました。車載向け半導体を手掛けるルネサスエレクトロニクス(6723)が4.7%高となったほか、半導体製造装置の東京エレクトロン(8035)やレーザーテック(6920)、アドバンテスト(6857)、SCREENホールディングス(7735)なども買われ、東京エレクトロンが5.3%高、レーザーテックが4.2%高、アドバンテストが5.4%高、SCREENホールディングスが3.3%高となりました。東京エレクトロンとレーザーテックが上場来高値を更新し、ルネサスエレクトロニクスとアドバンテスト、SCREENホールディングスは昨年来高値を更新しています。また、半導体切断装置トップのディスコ(6146)も2020年10-12月期の単体出荷額が5G関連市場の拡大に伴い比較的高い水準の出荷が続いたことから前年同期比で22.0%増と大きく伸びたことで3.2%高となり上場来高値を更新しています。

さらに安川電機(6506)が4.4%高となり昨年来高値を更新しました。景気回復が進む中国を中心に設備投資需要が強まっていることから通期の営業利益の見通しを上方修正し減益予想が一転して増益予想となったことが好感されました。マザーズ市場では太陽電池の製造装置を手掛けるエヌ・ピー・シー(6255)が第1四半期の営業損益が黒字に転じたことで17.3%上昇しストップ高となっています。

一方で東宝(9602)が6.7%安となりました。劇場版の鬼滅の刃のヒットで通期の業績予想を上方修正しましたが材料出尽くしとなり売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は292円高となりました。昨日の米国市場がバイデン次期政権による経済対策への期待から反発したことに加えて、指数寄与度が大きいソフトバンクグループ(9984)や東京エレクトロン、ファーストリテイリング(9983)、アドバンテスト、TDK(6762)が買われこの5銘柄で日経平均を221円押し上げたこともあって上げ幅を大きく広げました。その結果この4日間での上げ幅は1,400円となり相当に強い相場展開が続いていますが、25日移動平均線との乖離率が5.3%まで広がり短期的な過熱感も意識されるなかで明日以降もこの勢いを維持できるかがポイントとなりそうです。

なお、小売企業の決算発表が続いていますが本日も引け後にABCマート(2670)やイオン(8267)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)