民主党が議会上下院とホワイトハウスの3つとも制する「トリプル・ブルー」にもかかわらず米国株は史上最高値を更新、日本株も先週末の日経平均が急伸し高値引けで30年ぶり高値をつけた。最近の相場は、悪材料も都合よく解釈する地合いになっている
先週末に発表された昨年12月の米雇用統計では、雇用者数が予想外に減少、8カ月ぶりのマイナスとなった。しかし、それも市場は好材料と受け止めた。政府による追加のサポートの呼び水になるからだ。
早速、バイデン次期米大統領は、個人への直接給付金増額を含む数兆ドル規模の追加経済支援策が直ちに必要だと呼び掛けた。バイデン氏はデラウェア州ウィルミントンで、「家庭や中小企業にもっと直接支援を届ける必要がある。この取り組みには個人への給付金2000ドルの実現も含まれる」と言明。支援策に関する自身の提案を14日に発表すると述べた。これでまた市場は週後半に向けて深押しすることなく堅調に推移するだろう。ただ、それが発表されると、さすがに更なる追加政策は当分なさそうなので、目先はいったん材料出尽くしになることには注意が必要だ。
今週日本では、12日にセブン&アイ(3382)、安川電機(6506)、14日にファーストリテイリング(9983)などの決算発表が予定されている。半導体の受託生産最大手の台湾TSMC(14日)が注目される。
経済指標は国内では、12日に景気ウォッチャー調査、13日に工作機械受注、14日に機械受注などが予定されている。米国では、15日の小売売上高、ニューヨーク連銀景気指数、鉱工業生産などが注目される。
今週の予想レンジは2万7500円~2万8500円とする。